2016年04月26日
アイデアよもやま話 No.3373 被災者のストレス軽減の取り組み その2 簡易間仕切りでプライベート確保!

4月14日夜発生の前震、そして4月16日未明の本震以降、熊本地震はその後の余震が続いており、多くの被災者の方々は避難所での厳しい生活を続けられております。

そこで、4月23日には、プロジェクト管理と日常生活 No.433 『熊本地震に見る過去の大震災の経験が活かされていない災害対策』で災害対策関連についてお伝えしました。

そうした中、4月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で、被災者のストレス軽減の取り組みについて取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

2回目は、プライベートを確保出来る簡易間仕切りについてです。

 

4月19日、世界的な建築家、坂 茂さんが今回の震災で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村の避難所を訪ねました。

板さんは、これまで2008年の四川大地震や2010年のハイチ大地震など、世界の災害現場で被災者の支援をしてきました。

2011年に起きた東日本大震災では、独自に考案した避難所用の間仕切りをおよそ1500帯分提供しました。

2014年には、こうした取り組みが認められ、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞しました。

そして、今回の震災でも間仕切りの準備を始めました。

板さんは、3日後には間仕切りを避難所に搬入したいと考えています。

板さんは、避難所生活でストレスは解消しないけれど、間仕切りが標準としてすぐにやれないとプライバシーがないと考えています。

 

その間仕切りですが、柱の部分は紙で作った管、紙管で出来ています。

軽量ですが、高い強度を持つのが特徴です。

実際に組み立ててみると、一つの空間を作るのに大人4人で5分ほどで設置出来るといいます。

柱を組み合わせるだけで設置出来、布をかければ簡単にプライバシーを確保出来ます。

そして、上の部分は開いているので閉塞感もないといいます。

また、紙管はコストが安く、簡単に作れるため、災害発生後すぐに用意出来るメリットがあります。

 

板さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「プライバシーって本当に重要ですよ。」

「これでやっとゆっくり寝れるってみなさんおっしゃって下さいますね。」

 

「人それぞれいろんな出来ることがあるじゃないですか。」

「例えば、床屋さんが来て皆さんの髪をかったりする人がいたり、子どもと遊んでくれる人たちもいたし、精神的なストレス解消のためのサポートはいろいろな立場の人が出来ると思うんですよね。」

 

また、板さんは、避難所の皆さんは我慢して要望を言わないといいます。

でも、避難所の皆さんが無理だと思っても言うことによって、誰かがそれを聞いていて、必ず誰かが解決策を持っているので言うことが大事なんだといいます。

それで、解決策が出てくれば、その経験が次の震災の対策としてつながる、この循環を作らないといけないと強くおっしゃっていると番組ではいいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、前回ご紹介した段ボールによる簡易ベッドと今回ご紹介した簡易間仕切りを組み合わせて避難所に提供出来れば、避難されている方々に快適な眠りとプライベート空間を提供することが出来ます。

ちなみに、4月24日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)で、熊本市の避難所でこの簡易間仕切りが設置される作業の様子を取り上げていました。


また、板さんのおっしゃるように、避難所の皆さんは無理だと思っても我慢せずにとりあえず要望を伝えてみることが大事だと思います。

そして、混乱の続く避難場所では、板さんのおっしゃるように、とりあえず人それぞれいろんな出来ることを実行することによって、避難所の場の雰囲気が和むようになると思います。


 
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