2016年03月15日
アイデアよもやま話 No.3338 「直流給電」がいよいよ実用化!

太陽光などの自然エネルギーで発電した電力は直流なので、今は交流に変換してから系統電力につなげて売電したり、家電の電源として使っています。

ところが、直流から交流に変換する際に電力ロスが生じます。

ですから、こうして発電した電力を使用する際には直流のまま給電する方が電力ロスがなくて済むということから、将来太陽光発電などの自然エネルギー発電が普及してきた際には、「直流給電」がいずれ主流になると一部で言われてきました。

そうした中、1月14日(木)配信のネットニュースで「直流給電」がいよいよ実用化されるという記事に目が留まりましたのでご紹介します。

 

固定価格買取制度(FIT)による太陽光発電の買取価格の低下をにらみ、「直流給電システム」の製品化に向けた動きが活発化しているといいます。

シャープが、直流(DC)でも稼働する「DCエアコンハイブリッドシステム」を2015年内に発売するほか、三菱電機は「中低圧直流配電システム実証棟」を建設し、直流給電システムの商品化を加速すると発表しました。

 

太陽光発電と蓄電池(バッテリー)は、いずれも直流で出力します。

太陽光の発電電力を売電せず、蓄電池に貯めて自家消費するようになると、直流で動作する電気機器については、現在のように交流(AC)に変換せずに直流のまま利用出来るようになります。

そうなると、「直交変換」に伴う電力損失を減らせるのです。

 

これまで直流給電システムは、「未来のエコハウス」など研究レベルであったり、家電メーカーなどがコンセプトモデルとして発表したりしてきました。

太陽光発電の大量導入と、ポストFITをにらみ、ここにきて一気にビジネス段階に近づいてきました。

 

以上、ネット記事の一部をご紹介しましたが、今いろいろなメーカーが「直流給電」の将来的な普及をにらんで商品化に向けた開発を進めているようです。

しかし、既存の家電機器とのインターフェースから一挙に「直流給電」に進む可能性はなさそうで、当分の間は太陽光と系統電力、そして蓄電池からの放電という3つの電源を優先順位に従って自動的に切り替えて使用するハイブリッドコントロールシステムが主流になると思われます。

 

いずれにしても、“脱原発”、あるいは“脱化石燃料”の大きな流れは避けられません。

ですから、これまで何度となく繰り返しお伝えしてきたように、一番肝心な発電源としては、アイデアよもやま話 No.2025 私のイメージする究極の発電装置とは・・・でもお伝えしたように、低コスト、安定供給、安全性、あるいはどこでも設置可能などの要件を満たす発電装置の実用化が望まれるのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています