2016年02月07日
No.3306 ちょっと一休み その528 『無視出来ない過去20年間に起きた気象災害による死者数』

今や世界的な気象災害に被害が連日のように報道されています。

そこで、前回の「ちょっと一休み」(No.3300 ちょっと一休み その527 『無視出来ない住宅の水災被害額』)では、国内での住宅の水災被害額ついてお伝えしました。

今回は、昨年11月24日(火)放送のニュース(NHK総合テレビ)で過去20年間に起きた気象災害による死者数について取り上げていたのでご紹介します。

 

国連で防災のための国際協力に取り組む国際防災戦略事務局は、COP21(パリで開催された国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)を前に昨年11月23日にある報告書を公表しました。

 

この報告書によると、世界各地で起きた洪水など気象災害による死者の数がこの20年間で60万人(3万人/年)を超えたといいます。

その地域別の内訳は、中国・インド・バングラデシュなどアジアが全体の半数以上を占めています。

また、被害総額は少なくとも1兆8900億ドル(230兆円余り)に上るということです。

更に、2014年までの10年間に発生した気象災害の件数はその前の10年間を14%上回り、増加傾向にあるとしています。

報告書をまとめた国際防災戦略事務局は、“気象災害は地球温暖化や海面上昇が要因の一つだ”としています。

 

気象災害は地球温暖化が注目される前から起きていたので、今回ご紹介した気象災害の原因の全てが地球温暖化によるものは言えません。

でも、地球温暖化が気象災害の増加に影響を与えていることはほぼ間違いなさそうです。

そして、注目すべきはその被災地域にはこれまで地球温暖化の原因であるCO2をそれほど排出してこなかった途上国も含まれているということです。

ですから、途上国の多くは先進国や新興国による豊かさの追求の犠牲になって気象災害の被害に遭っていると言えます。

そういう意味で、先進国や新興国はこれら途上国の被害の補修などの対応に必要な資金を提供する責任があることは明確です。

 

同時に、先進国には“持続可能な社会”の実現のための要件を満たした上での途上国の今後の経済成長を支援していくことが求められるのです。

そうしなければ人類の存続が危うくなってしまうことを私たちは忘れてはならないのです。

自国の経済振興のためを主眼とした先進国による途上国への単なる経済支援では、人類の存続危機を早めてしまうだけなのです。


 
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