2016年01月31日
No.3300 ちょっと一休み その527 『無視出来ない住宅の水災被害額』

昨年も日本各地で土砂災害などの水災による被害が続出していました。

そうした中、昨年10月9日(金)放送のニュース(NHK総合テレビ)で土砂災害をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

番組の中で、災害リスク評価研究所代表の松島 康生さんは、土砂災害は今後どんどん増えてくる恐れがあると指摘しています。

番組では、昨年10月の豪雨で被災した茨城県常総市のある戸建て住宅のお宅を取材していました。

2年前に2800万円かけて建てられたばかりのこちらの家は一階部分が膝あたりまで浸水し、水に浸かった木材は膨張し、ドアや建具が閉まりにくくなりました。

また、住宅メーカーに点検を依頼したところ、床下一面にヘドロがこびり付いていました。

放っておくと家の基礎部分が腐ってしまうため、床板を外し、消毒をする必要があるといいます。

被害がないように見える壁も一階部分は全て張り替えが必要といいます。

水を含みやすい断熱材を使っているので水を吸ってしまったというのです。

更に、衛生面を考えると、キッチンのシンクや浴槽を取り外し、掃除をしたほうがいいと業者は勧めました。

 

こうして業者が出した見積もりは、以下の通りで全ての工事を行えば700万円近くかかってしまうことが分かりました。

・床下の消毒、床の張り替えなど 200万円

・断熱材と壁の張り替え     300万円

・キッチンや風呂などの補修   180万円 

 

こちらのお宅の住宅ローンは残り33年、水害を補償する保険には入っていなかったため全額自己負担となります。

こうした被害に遭った場合に助けになるのが保険です。

火災保険は、火災だけでなく落雷、破裂・爆発、風害・雪害、落下・衝突、盗難、そして水災(浸水・土砂災害など)もカバー出来るようになっているといいます。

ただし、火災保険の中には「水災」補償がないタイプもあるし、カバーされていても契約内容によって補償額に差があるので要注意といいます。

 

ちなみに、その保険料ですが、一つの例として東京都内で2000万円の新築の場合は以下の通りです。

水災なし 1万5800円/

水災あり 2万5400円/

 

また、火災保険以外にも火災共済で同様の補償が受けられるといいます。

 

今回お伝えしたように、土砂災害の被害に遭った場合の補修費用は数百万円かかる可能性があり、この金額は無視出来ません。

ですから、特に戸建て住宅やマンションの低層階の物件を購入する場合には、水災など天災の被害に遭うリスクを考慮して選び、そのうえで火災保険の「水災」補償なども検討することが大切だと思います。

 

なお、冒頭にお伝えしたように、地球温暖化の進行とともに土砂災害などの水災は世界的にどんどん増えていくことは間違いありません。

しかも、こうした災害は加害者を特定することは出来ません。

強いて挙げれば、CO2排出量の多い国ということになるかもしれません。

いずれにしても、重要なことは世界的に地球温暖化の進行を止めることです。

ですから、このまま有効な対策が実施されなければ、私たち人類は結果的に得るものよりも失うものの方が大きくなってしまうのです。

一時的な豊かさの追求に走っている場合ではないのです。


 
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