3月2日(日)放送の「サキどり↑」 (NHK総合テレビ)で
ロングライフ食品について取り上げていました。
前回は番組を通してロングライフ食品の素晴らしさについてお伝えしましたが、今回はその元祖である保存食の進化についてご紹介します。
最近の缶詰やフリーズドライ、すなわち保存食の特徴はグルメ化といいます。
1缶1万円のアワビの高級缶詰やフリーズドライのお刺身やキンピラゴボウ、あるいはフワフワな食感のパン缶も登場しています。
更に、ホカリフーズ株式会社(新潟県魚沼市)では保存期間3年半の炊きたての味のする非常用の白いご飯の製造しています。
食べ方は、ビニール袋の中に非常用の白いご飯のパックと付属の水を入れて20分待ちます。
すると、炊き立てのご飯と同様に美味しく食べることが出来るのです。
勿論、電子レンジで温めることも出来ます。
番組のために、特別にホカリフーズにお願いして3年半前の非常用ご飯と炊きたてのご飯を分析した結果、ねばりやかたさなど4項目でほぼ同等の結果が得られました。
ちなみに、価格は1食分248円(税込み)と一般的な保存用ご飯に比べてかなり割高ではあります。
この非常用白いご飯は、2004年に起きた、10万人以上が避難所暮らしを余儀なくされた新潟県中越地震がきっかけで生まれました。
食事の多くは缶詰やレトルト食品など味の濃いものがほとんどで、役員の別府
茂さんも避難所暮らしの中であらためて食べ物の大切さを思い知らされました。
別府さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「食べることしか楽しみがないんですね、いろんなストレスがかかってますので。」
「ですから、食事までストレスをかけるということよりも、逆にいうと美味しいものが用意できてれば、それだけでも本当に楽しみになって心のストレスを緩和できる可能性がある。」
「保存性だけではなくて、普段から食べられる美味しさを作らないといけないんだっていうことは本当に実感したところでした。」
震災後の調査でも、非常食で食べたいものは白いご飯という回答が全ての年代で圧倒的多数を占めました。
こうして、新潟県中越地震がきっかけで保存期間3年半の炊きたての非常用の白いご飯の開発が始まったのですが、いろいろと苦労が多く、完成までに5年の歳月を要しました。
新潟の被災地で生まれた炊きたての美味しい白いご飯は今全国に広がっています。
東日本大震災の時も被災地で100万食が食べられたといいます。
それにしても3年半の保存後も炊きたて同様の美味しさを味わえる白いご飯というのは驚きです。
今、世界では食料全体の3分の1、すなわち13億トン、金額にして74兆円分が毎年捨てられているといいます。
ロングライフ食品でこの問題が全て解決出来るわけではありません。
あらかじめ食べられる分だけを購入したり、料理したりという工夫も必要です。
しかも、味も変わらなければ申し分ありません。
ですから、ロングライフ食品の更なる進化を期待したいと思います。