2024年04月22日
アイデアよもやま話 No.5875 王者、井上尚弥選手の10ラウンド その1 強さの秘密!
1月19日(金)放送のNHK BSの番組で「王者・井上尚弥の10ラウンド」をテーマに取り上げていたので、2回にわたってご紹介します。
1回目は、井上選手の強さの秘密についてです。

井上選手にはどんな状況にあっても立ち戻れる原点がある。
それはボクシングの基本にこだわること。
その一つがシャドーボクシング。
対戦相手を想定しながら、自分のボクシングを確認する基礎練習だ。
地味で単調に見える、この練習に100%で取り組むのが井上のスタイルだ。
「これが自分のボクシングの練習の仕方。」
「小学校1年生からずっと染みついてきてやっているものなので。」
「染みついていても、だんだん薄れて、そういう練習をしなくなる選手もいますけど、自分はそこを一番大事に。」
「そこが一番単純で面倒くさい練習ですけど、そこがやっぱり勝てる唯一の練習方法というか、一番の近道だと思うので、そこは自分の中でしっかりやろうというのは決めています。」

ミット打ちでも基本を大事にする井上、ジャブとストレート、誰もが最初に習うパンチを連続で打つコンビネーション。
これを子どもの頃から磨き続けている。
井上が所属するジムの大橋秀行会長は次のようにおっしゃっています。
「必ずジャブ、ジャブ、ワンツーって基本練習をやっているんですよ。」
「この大チャンピオンが。」
「初心者というのか、最初の頃の選手のように基本だけはずっとやっていて。」
「あの姿を見ると、まだまだこれからも伸びるし、どこまでも強くなる。」

練習を終えたある日、焼き肉店で後輩たちに囲まれた井上が目指すボクシングを語る場面があった。
「その試合、リングに上がって、ゴング鳴って、ほんとスポーツ、ゲーム感覚。」
「殴り合い、倒し合いだと思っていない。」
「パズルがカチッとはまった時に倒せる。」
「そういう感じ。」

また、井上選手はKOについて次のようにおっしゃっています。
「KOにこだわりたいですね。」
「自分がプロとしてリングに上がって、チケットを買って来てくれているファンの人たちに判定でもいいやって妥協したボクシングを見せたくない。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して、井上選手の強さの秘密について以下にまとめてみました。

(基礎練習の重視)
・シャドーボクシング
・ミット打ちでもジャブとストレート、誰もが最初に習うパンチを連続で打つコンビネーション。

(基本的な考え方)
・リングに上がって、ゴング鳴ったらスポーツ、ゲーム感覚で、殴り合い、倒し合いだと思わないこと
 -パズルがカチッとはまった時に倒せるというようなそういう感じである
・コンビネーションをカウンターパンチャーに打っていくのは結構怖いものがあるが、それでも勝ちにいくには、プラス倒しにいくにはいくしかないこと
・KOにこだわること
 -プロとしてリングに上がって、チケットを買って来てくれているファンの人たちに判定でもいいやって妥協したボクシングを見せたくない

こうした基礎練習の重視、ゲーム感覚、KOにこだわるといったことは、基礎技術の重要性、高度な試合展開の読み、高い目標の設定、観客の満足度向上といったキーワードにつながります。
やはり、こうしたフレームワークの中で井上選手は次の試合に向けて、常に厳しい練習に励んでおり、KO勝ちが多いことから“モンスター”という異名を授かっているのです。

ちなみに、大リーグの大谷翔平選手に多くの世界中の多くのファンがホームランを期待しているように、井上選手に多くのファンはKO勝ちを期待しているのです。
井上選手はこうしたファンの気持ちを汲み取ってくれて、常に高みを目指して練習に取り組んでいるのです。

 
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