2024年04月18日
アイデアよもやま話 No.5872 AIで建設業界を変革!
1月9日(火)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でAI活用による建設業界の変革について取り上げていたのでご紹介します。 

株式会社アンドパッド(東京・千代田区)の稲田武夫社長は、自社で開発した建設会社向けのアプリ「ANDPAD」について次のようにおっしゃっています。
「建設現場で使っていただく施工管理のアプリをやっています。」

「ANDPAD」を導入した建設会社の工事現場(大阪・大阪狭山)では、工事が図面通りに進んでいるかどうかをタブレットの画面に書き込んで、関係するメンバーと情報を共有します。
これまでは事務所に戻って、紙の図面をコピーするなど手間がかかっていたのですが、アプリを導入したことで、作業の効率化が進んだといいます。
アプリを導入した建設会社の賀川博之さんは次のようにおっしゃっています。
「クラウドに資料を入れておけば、取り引き業者さんが取りに行ける、そういうようなところで非常に手間が省けている。」

稲田社長は次のようにおっしゃっています。
「(どんな課題を解決しようとして「ANDPAD」を開発したのかという問いに対して、)今、業界全体が急に生産性向上の方に舵を切ろうと頑張っている。」
「もう、とにかくITの活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)しかないんです。」

元々は情報サービス業界で働いていた稲田さん、建設の分野には詳しくなかったのです。
「私は冒険心、出来るだけ知らない産業の方が、より貢献出来るのかなっていう感覚があったんですけども。」
「(建設業界の方から抵抗はなかったのかという問いに対して、)いろいろあったと思います。」
「「なんでお前のような若造で、かつ建築も何も分からない人間が建設のITをやるんだ」って。」

しかし、稲田さんは自分が未経験だったからこそ、建設業界の常識に囚われず、イノベーションを起こすことが出来たといいます。
「仕事も知らないので、全て(現場を)見に行くわけです。」
「ですので、客観的に業界全体に対し、必要な機能は何だとか、業界全体で使ってもらえるものは何だというのを研究・探求出来るというのが知らなかった者の強みかなと。」

現在、18万社以上で使われるようになった、このアプリ、その改良は今も続けられています。
こちらは建設現場を3Dスキャン出来る新たな機能。
この部屋が3Dで全部どういう部屋か分かるようになっています。(こちらを参照)
従来は大量の写真を撮影していましたが、その必要がなくなりました。
稲田さんは、今後アプリの機能を更に充実させたいと考えています。
「我々がやりたい世界というのは、建設業で働く皆様を幸せにするというコンセプトでやっていますんで、余計な事務作業だったり移動時間を出来るだけ減らしていくということを提供したいなと。」

具体的な課題を見つけて、それをビジネスで解決しようという姿にベンチャー魂を感じました。
稲田さんがDXというかたちで建設業に切り込んだことで、結果的に他の業界の人が係わるようになって、結果的に新しい人材を取り込むことにつながっています。
業界の枠を超えるというのは、簡単なことではないと思いますが、マッチすれば人材確保だっり、効率化だったり、メリットが非常に多いなと感じました。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、アンドパッドが自社開発した建設会社向けのアプリ「ANDPAD」について以下にまとめてみました。

(開発の狙い)
・今、建設業界全体が急に生産性向上に舵を切ろうとしている中、ITの活用、DXで業界の生産性向上に寄与すること
 -建設業で働く皆様を幸せにするというコンセプトで、余計な事務作業や移動時間を出来るだけ減らしていくこと狙いとしたサービスを提供する

(メリット)
・工事が図面通りに進んでいるかどうかを関係するメンバーと情報を共有出来ること
 -これまでは事務所に戻って、紙の図面をコピーするなど手間がかかっていたが、作業の効率化が図れる
 -クラウドに資料を保管することで、取り引き業者も資料を参照出来る
・建設現場の部屋を3Dスキャン出来る機能により、部屋全体の様子が分かるようになり、従来の大量の写真撮影が不要になったこと
・将来的に建設業界の業務プロセスのDX化により、大幅な生産性向上が図られ、建設業界の人材不足問題の解決にも貢献出来ること

(「ANDPAD」の活用に見るITベンチャーの活躍の可能性)
・稲田社長は元々は情報サービス業界で働いており、建設の分野には詳しくなかったが、未経験だったからこそ、建設業界の常識に囚われず、イノベーションを起こすことが出来たこと
 -客観的に業界全体に対し、必要な機能を研究・探求出来た
・現在、18万社以上で使われるようになり、アプリの改良は今も続けられている

ということで、アンドパッドの稲田社長のように、今後ともチャレンジ精神の旺盛な若い世代の方々が全く経験のない業界にDX旋風を巻き起こすことで、産業界全体の生産性向上が図られ、経済の活性化、あるいは少子高齢化の進行による日本全体の人手不足の解決につなげることが出来るのです。

ちなみに、私も若い頃、SE(システムエンジニア)としていろいろな業務システムの開発をしていましたが、確かに知らない業務プロセスのシステム開発においては、客観的な視点でユーザーにあれこれ提案することがありました。
そして、開発したシステムが無事スタートした時の、ユーザーからの感謝の言葉を聞いた時にはとてもやりがいを感じました。
ですから、特にチャレンジ精神の旺盛な若い世代の方々には、AIなどIT関連技術をしっかり学んで、こうした技術を武器にベンチャー企業を立ち上げ、社会に貢献していただきたいと思います。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています