2024年04月07日
No.5862 ちょっと一休み その923 『若手社員はいつ会社を辞めたいと感じているか?』
2月23日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で若手社員はいつ会社を辞めたいと感じているかについて取り上げていたのでご紹介します。 

2020年から2023年に入社した若手の社員、1000人を対象に行った調査によりますと、仕事を辞めたいと感じている人が51%に上りました。(こちらを参照)
若者の離職対策が大きな課題となる中で、ある大手企業が社内交流を目的とした社内運動会を開催しました。

代々木競技場(東京・渋谷区)で、掛け声で始まったのが踊りと玉入れを融合した“ダンシング玉入れ”。
更に“綱引き”。
参加者を見てみると、胸にはパナソニックのロゴ。
大手電機メーカーのパナソニックが開催した社内運動会です。
参加資格は、新入社員〜5年目までとなっています。
対象となる社員の3割、約1200人が参加しました。
こうして全国の社員を集めて運動会を行うのは初めてだということです。
運動会に参加する社員は出勤扱い。
更に勤務地から会場までの交通費などは全て会社が負担します。
今回、運動会を開催した狙いについて、パナソニックの品田正弘社長は次のようにおっしゃっています。
「(分社化で)どんなことをやっているのか、意外と分かっていないと。」
「コロナ禍という特殊な環境の中で入社したメンバーに、こういう機会を作ってあげたいなと。」

社内カンパニー制を導入したことで、組織間の交流が課題となっていたパナソニック、入社5年目までの社員に行なったアンケートでは、「組織の壁を越えた協力体制に課題を感じる」と答えた人が44%に上りました。
コロナ禍で対面でのコミュニケーションも減った中、若手の社員たちから交流の場が欲しいとの要望が出て、社内運動会の開催が決まったということです。
品田社長は次のようにおっしゃっています。
「Z世代の人たちの考え方をどう経営にしっかりと取り込んでいくことが極めて重要だと。」
「若者の熱量をどう経営に生かしていくのかっていうのは、すごく可能性を感じています。」

こうしたZ世代を巡る問題について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「Z世代は、同世代の横のつながりを大事だと思うこと。」
「それから、友達に認められたいっていう価値観を持っている。」
「それが特徴で、今回のようなイベントはモチベーションを上げるのに非常にいいんだと思うんですよね。」
「(若い世代は近い存在を意識しているのではという指摘に対して、)こちら、面白い調査があるんですけど、人から羨ましがられることは大事だということに対するイエスだという回答なんですが、10代後半は45%と、非常に突出して高いんですね。」
「で、友人がどう思うかということも重視するってことで、この辺が今の、これまでと違うところですね。」
「(情報がどんどん入ってくるので、働き方に関してもZ世代の意識は違うという指摘に対して、)そうですね。」
「やっぱり、有給、リモートっていうことに対する要求が非常に強いんですよね。」
「ただし、ゆるい職場がいいと思うか、必ずしもそうじゃないんですよ。」
「ゆるいと感じない職場についても、いずれにしろ、3年以内に辞めたいって人は5割を超えてるんですよ。」(こちらを参照)
「両極端の人たちが辞めたいと思っているということなんで、今までの会社組織っていうのは、縦ですから、そうではなくて横の、今回出たような多様な、他の職場、あるいは他の会社の人たちがどう働いているかってことに非常に関心が高い。」
「ですから、これまで無かった世代なので、この人たちを育てる中間管理職の人たちは中々大変なことが待ち構えていると思います。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、Z世代についてはこちらを参照下さい。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・2020年から2023年に入社した若手の社員、1000人を対象に行った調査によると、仕事を辞めたいと感じている人が51%に上っている
・若者の離職対策が大きな課題となる中で、パナソニックが社内交流を目的とした社内運動会を開催した
 -参加資格は、新入社員〜5年目までである
 -対象となる社員の3割、約1200人が参加した
 -こうした全国の社員を集めて運動会を行うのは初めてだという
 -今回、運動会を開催した背景には、品田社長は、社内カンパニー制を導入したことで、組織間の交流が課題となっており、若手の社員たちから交流の場が欲しいとの要望が出ていたことがあるという
・品田社長は、Z世代の人たちの考え方をどう経営にしっかりと取り込んでいくかが極めて重要であると考えている
・こうしたZ世代を巡る問題について、解説キャスターの原田さんは以下のように指摘している
 -Z世代は、同世代の横のつながりを大事だと思っている
 -友達に認められたいっていう価値観を持っている
 -今回のパナソニックの社内運動会のようなイベントはモチベーションを上げるのに非常にいい
・面白い調査がある
 -人から羨ましがられることは大事だということに対するイエスだという回答は、10代後半は45%と、非常に突出して高い
 -友人がどう思うかということも重視する、この辺がこれまでと違うところである
 -情報がどんどん入ってくるので、働き方に関してもZ世代の意識は違う
 -有給やリモートに対する要求が非常に強い
 -ゆるい職場、ゆるいと感じない職場、どちらも3年以内に辞めたいって人は5割を超えている
 -両極端の人たちが辞めたいと思っているので、今までの会社組織は縦で、横の多様な、他の職場、あるいは他の会社の人たちがどう働いているかに非常に関心が高い
 -Z世代はこれまで無かった世代なので、この人たちを育てる中間管理職の人たちは中々大変なことが待ち構えている

こうして見てくると、Z世代の若手社員には、その前の世代とは明らかに違う価値観があるようです。
人から羨ましがられることは大事であるとか、友人がどう思うかということも重視するとか、あるいは入社後、早期に離職を希望するといった価値観の背景には、10代の若い頃からのSNSなどを通じての様々な情報の入手や友人などとの情報のやり取りがあると思われます。
更に、最近では生成AIの登場により、情報の入手や発信において革新的な方法が使えるようになりました。
こうしたIT技術の進歩により、これからも世代間の価値観の相違は生まれてくると見込まれます。
ですから、こうした新しい価値観の世代の社員を受け入れる企業は、これらの人材を最大限に活用するうえで、こうした社員の価値観を把握したうえでの適切な対応が求められるのです。
一方で、リモートワークの普及に伴い、全世代を通じて、社員間のコミュニケーションのあり方も改善していくことが求められます。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています