2024年04月01日
アイデアよもやま話 No.5857 後期高齢者はこの先増えない!?
昨年12月5日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で後期高齢者はこの先増えない見込みについて取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

今日は経済財政諮問会議(こちらを参照)が開かれまして、社会保障改革も議論されたということですが、議論をするにあたっては、人口がどうなっていくのか、この人口動態、きちんとイメージしておく必要があります。
これについて、解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田洋一さんは次のようにおっしゃっています。
このグラフをご覧いただきたいんですけれども、2025年には団塊世代の方が全て75歳以上の後期高齢者になるんですよね。」
「それ以降、2040年くらいまでは、医療・介護の費用がぐんと跳ね上がる後期高齢者の人口がほぼ横ばいなんですよね。」
「ということは、今後、一気に財政面の負担が増えるわけじゃない。」
「ここは確認しておく必要があると思います。」

その一方で、こちら、右軸で見ていただきたいのは65歳までの生産年齢人口、つまり働き手の人口は2040年までに1200万人減るという見通しです。
これについて、滝田さんは次のようにおっしゃっています。
「もう対策は2つですよね。」
「1つ目は65歳から70歳ぐらいまでの高齢者が働ける環境を作ること、これが1つ。」
「もう1つは、やはり省力化、少人化の投資を加速すること。」
「この2つだと思いますね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、滝田さんの指摘されたポイントを以下にまとめてみました。
・来年、2025年には団塊世代の方が全て75歳以上の後期高齢者になる
・それ以降、2040年くらいまでは、医療・介護の費用がぐんと跳ね上がる後期高齢者の人口がほぼ横ばいで、今後、一気に財政面の負担が増えるわけではない
・一方で、65歳までの生産年齢人口、つまり働き手の人口は2040年までに1200万人減るという見通しである
・従って、こうした状況に対する対応策は次の2つになる
-65歳から70歳ぐらいまでの高齢者が働ける環境を作ること
-省力化、少人化の投資を加速すること

なお、先ほどのグラフを見ると、2040年以降について、後期高齢者人口はなだらかに増え、一方、65歳までの生産年齢人口は後期高齢者の人口の増え方以上のカーブで減るので、2040年までよりも、その後の後期高齢者人口と生産年齢人口のバランスは相対的に悪化すると見込まれます。

ですから、滝田さんも指摘されているように、今のうちから何歳になっても働く意欲と体力のある方が働けるような環境づくりとAI、あるいはロボットなどによる省力化を進めることが重要です。
なお、後期高齢者に限らず、身体障害者や家庭の主婦など、今は働く能力、あるいは時間帯に制約があるために働くことが出来ない方々が働けるような環境に照らして、AI、あるいはロボットなどによる省力化をすることが重要です。
多額の開発費をかけて、何でもかんでもAI、あるいはロボットに完全に任せる必要はないのです。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています