昨年１２月１日（金）放送の「ワールドビジネスサテライト」（テレビ東京）で地球温暖化対策として注目すべき放射冷却素材について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
ＣＯＰ２８（国連気候変動枠組条約第２８回締約国会議）がUAE＝アラブ首長国連邦のドバイで開催され（2023年11月30日〜12月12日）、ジャパン・パビリオンには様々なメーカーが出展しました。
中でも注目を集めていたのは、傘を展示していたスペースクール株式会社（東京都港区）です。
宝珠山卓志社長は次のようにおっしゃっています。
「環境系のキーパースンに放射冷却素材が存在することを説明するために出させていただいています。」
放射冷却素材で作るシートを開発しているスペースクール、この素材を使った傘を試したインド人は次のようにおっしゃっています。
「涼しくなったよ。」
スペースクールの開発拠点は大阪市此花区にあります。
スペースクールの末光真大ＣＴＯは次のようにおっしゃっています。
「こちらは放射冷却素材の研究開発をしている現場になります。」
スペースクールが開発したシート状の放射冷却素材を使ったテントと使っていないテント、どれほど違いがあるのか、計測してみると、放射冷却素材を使ったテントの方が６℃低いという結果に。
一般的に建物などの暑さを防ぐ役割があるものとして断熱材がありますが、これは熱が内部に伝わる速度を遅くするというもの。
一方、スペースクールの放射冷却素材は、太陽光などの熱が物体に入り込むのをブロックするだけでなく、物体が持つ熱を外部に放出するもので、冷却することが出来るのだといいます。
この素材、ららぽーと門真（大阪・門真市）にも導入されています。
案内されたのは屋上です。
末光ＣＴＯは次のようにおっしゃっています。
「スペースクールシートなんですけども、こちらのシートを剥がすと粘着剤がついておりまして、このシートをこちらの分電盤に貼り付けております。」
「実際に、年々、温暖化が進んでおりますので、分電盤の中の機器が故障するというトラブルが増え続けていると。」
「貼るだけで温度が下がるような性質を持っておりますので、熱をうまく外に逃がすことが出来ます。」
去年の販売開始から１年で、このシートを施工した分電盤は４００台。
シートを貼るだけで手間がかからないことから、工場や倉庫の屋根、輸送トラックのコンテナなどでも活用出来ると見込んでいます。
末光ＣＴＯは次のようにおっしゃっています。
「万博でも銀色の膜素材を施したパビリオンが建築される予定です。」
特に力を入れるのが海外市場です。
７月にサウジアラビアで実証実験を行い、岸田総理の外遊にも経済ミッションとして同行するなど、中東を重要な市場と位置付けています。
そのため、日本以上の暑さにも耐えられるような素材の開発なども進めています。
末光ＣＴＯは次のようにおっしゃっています。
「人類の命だけではなくて、社会インフラも含めて、どう地球の温暖化、沸騰化に対応しているのかが求められていると思います。」
「スペースクールはそこに簡単に適応出来るような素材ですので、世界中に広げて、この課題の解決に貢献していきたいと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組を通して、スペースクールの開発した放射冷却素材について以下にまとめてみました。
・スペースクールが開発したシート状の放射冷却素材を使ったテントと使っていないテントを計測してみると、放射冷却素材を使ったテントの方が６℃低いという結果になった
・一般的な断熱材は熱が内部に伝わる速度を遅くするが、スペースクールの放射冷却素材は、太陽光などの熱が物体に入り込むのをブロックするだけでなく、物体が持つ熱を外部に放出して冷却することが出来る
・ららぽーと門真（大阪・門真市）では、スペースクールシートを分電盤に貼り付けており、熱をうまく外に逃がすことが出来るので、分電盤の中の機器の故障を防止している
・去年の販売開始から１年で、このシートを施工した分電盤は４００台に上る
・シートを貼るだけで手間がかからず、工場や倉庫の屋根、輸送トラックのコンテナなどでも活用出来ると見込んでいる
・大阪万博でも銀色の膜素材を施したパビリオンが建築される予定である
・特に力を入れるのが海外市場である
-７月にサウジアラビアで実証実験を行い、岸田総理の外遊にも経済ミッションとして同行するなど、中東を重要な市場と位置付けている
-そのため、日本以上の暑さにも耐えられるような素材の開発なども進めている
・放射冷却素材は、地球の温暖化、沸騰化に簡単に適応出来るような素材なので、世界中に広げていきたいと末光ＣＴＯは思っている
ということで、今回ご紹介した放射冷却素材は画期的な断熱シートと言えます。
ですから、オフィスビルや集合住宅、戸建て住宅などの外壁に貼れば、夏場のエアコンの温度設定もかなり低く抑えることが出来そうです。
従って、今後の地球温暖化の進行に対しても、夏場の電力消費のピークカットに貢献出来そうです。
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