2023年12月09日
プロジェクト管理と日常生活 No.847 『“デカボスコア”で“脱CO2”を推進』
7月10日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で耳慣れない言葉、“デカボスコア”について取り上げていたのでご紹介します。 

CO2をどれくらい削減したかを数値化するデカボスコアの取り組みが、トヨタなど日本の大手企業で始まっています。
脱炭素を実現出来るのでしょうか。

7月10日、開かれたのは三井物産などが立ち上げた脱炭素社会を推進する新会社、アースハックス株式会社(Earth hacks)の発表会。
「チーフ・デカボ・オフィサー」を務めるトラウデン直美さんは次のようにおっしゃっています。
「デカボスコアを通じて、沢山の方に(脱炭素の)実践の段階に入っていただけたらいいなと。」

従来の製品などに比べてCO2をどれだけ削減したかを示すデカボスコアを提供します。
既に導入した企業もそれぞれの取り組みを発表。
トヨタがお披露目したのはカードケースや名刺入れ。
実はこれらは「レクサス」の座席の製造で革や炭素繊維の余った部分で出来ています。
またワインホルダーは、燃料電池車「ミライ」に搭載されている水素タンクをつくる樹脂を固めて作られています。
トヨタ自動車 新事業企画部の中村慶至さんは次のようにおっしゃっています。
「樹脂材を毎朝、品質を確認するために試し打ちをするんですが、それが捨てられている。」
「そういった負の側面を少しでも減らした。」

それぞれのデカボスコアも展示しています。
既に70社以上が導入を決めたデカボスコア。
今後も広めていきたいといいます。
デカボスコアを開発したアースハックスの関根澄人社長は次のようにおっしゃっています。
「各企業様もそういう取り組みが数字で見えると、各企業様も取り組み易くなってくると思いまして、良いサイクルが作っていけるんじゃないかなと思っております。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、先ほどご紹介したアースハックス関連記事には以下の記述があります。

日本では、2030年度までの温室効果ガス46%削減(2013年度比)が目標として掲げられています。そのためには家庭部門の排出量を66%削減することが必要であり、生活者の暮らしの中での脱炭素行動をいかに促進できるかがますます重要になっています。

生活者に向けた具体的な情報や選択肢の提供が求められている状況を受け、企業が率先して生活者を巻き込み、生活者が自ら考えて脱炭素につながるアクションを起こす社会づくりを推進していく必要があると考え、共創型プラットフォーム「Earth hacks」を2021年11月よりスタートしました。

Earth hacksでは、「やらなければならない」といった我慢や制限ではなく、生活者が「前向きに、楽しみながら取り組めるアクション」を、”地球(Earth)にとって前向きで型にはまらない解決策(hack)を講じて脱炭素社会を目指していきたい” という想いから名付けています。

さて、そもそも何かに取り組んで、その進捗度合いや達成度などを数量的に把握することは、目標達成を効果的に成し遂げるうえでとても有効です。
ですから、プロジェクト管理の管理項目でも計画管理、あるいはプロセス管理といった管理を定量的に行います。

さて、今回ご紹介した、デカボスコアの取り組みは、まさにCO2をどれくらい削減したかを数値化することで、具体的に削減量を定量的に把握出来るようにすることを目的としているのです。
例えば、トヨタがお披露目したのはカードケースや名刺入れですが、これらは「レクサス」の座席の製造で革や炭素繊維の余った部分で出来ているといいます。
こうした、これまで廃棄していたものをリサイクルして新たな製品にするというだけでも、廃棄物の有効活用が出来たという実感が持てます。
しかし、更にこうしたリサイクルによってCO2の排出量の削減が数量的に分かれば、実際にどのくらいCO2の削減効果があったのかが分かり、リサイクルの取り組みの励みになります。
そして、こうした個々のCO2排出量の削減に向けた取り組みがデカボスコアという方法で管理されていくことによって、“脱CO2”の達成度合いが数量的に明確になります。
そして、それぞれの立場で“脱CO2”という目標達成に向けてモチベーションが上がると期待出来るのです。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています