2023年11月20日
アイデアよもやま話 No.5743 OpenAIが手掛ける新たな暗号資産の狙い!
8月1日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でOpenAIが手掛ける新たな暗号資産について取り上げていたのでご紹介します。 

ワールドコイン(WORLDCOIN)、これは対話型AI、ChatGPTを開発したOpenAIのCEO、サム・アルトマン氏が手掛ける新たな暗号資産なのです。
このワールドコインを持つためには、個人登録をする必要がありまして、今、世界各地でその登録のための行列が出来るほどとなっています。
ワールドコインは今までの暗号資産とどう違うのでしょうか。

8月1日、Singularity Tokyo(東京・渋谷)で行われていたのは、新たな暗号資産、ワールドコインを手に入れるために必要なユーザー登録です。
登録には生体認証を使い、ワールドコインの運営組織が各地に置く“オーブ”と呼ばれるボール状の装置に網膜をスキャン、虹彩と呼ばれる部分を読み取ることで完了。
登録所を運営するカンバンクラウド株式会社の古田拓也社長は次のようにおっしゃっています。
「指紋のデータは唯一性を証明するのは若干難しいんですけども、虹彩のデータは70億人に1人しか一致しない。」

手続きにかかる時間は約1分。(具体的なステップはこちらを参照)
登録が終われば、25ワールドコインが無料で付与されるうえに、毎週、1ワールドコインを受け取れます。
既にコインは海外の暗号資産交換所で1コイン、約2ドル程度で取り引きされています。
7月24日から本格的にスタートしたワールドコイン。
世界、20の国や地域で、これまでに200万人以上が登録したといいます。
ChatGPTを生み出したサム・アルトマン氏が手掛ける暗号資産ということもあって、注目度が高まっているのです。
20億人の登録を目指すワールドコイン、主導するアルトマン氏の狙いはいったい何なのでしょうか。
アルトマン氏は次のようにおっしゃっています。
「AIは、今、人間がしている仕事を次から次へとこなせるようになる。」

アルトマン氏はChatGPTのような生成AIが労働者の仕事を奪ってしまうことを懸念しています。
そのため、ワールドコインの仕組みを世界に広げ、最低限の賃金を補償するベーシックインカムを支給してもらう構想もあるといいます。
暗号資産に詳しい専門家、株式会社HashHubの城戸大輔さんは、生態認証を活用するワールドコインのメリットについて、こう指摘します。
「AIと人間を区別する技術は、どこかしらで必要になってくると思います。」
「それは先ほど挙げた、やはり人間ではないAIが(今後)氾濫してくるから。」
「虹彩を撮影することによって、その人が唯一無二の人間であることを証明する。」

将来、高度な生成AIがネット上で人間に成りすます可能性があることから、生態認証を使ったワールドコインによって、AIと人間を区別出来るといいます。

一方で、課題も。
城戸さんは次のようにおっしゃっています。
「適切な手段で個人情報の取得を行っているのか。」
「個人情報の保存はきちんとなされているのか、そういったところにメスが入っています。」

アメリカのプライバシー保護団体が「プライバシーの悪夢が起こり得る」と、警鐘を鳴らすなど、世界でワールドコインをけん制する動きが始まっています。
城戸さんは次のようにおっしゃっています。
「国家が少し介入してくるような、例えば、そのデータ収集に対して、国家が許可を求めるとか、そういった動きが出てくると思います。」
「個人情報の収集といったところでは、かなりルールに則ってやっていく必要がある。」

あらためて抑え直すと、サム・アルトマン氏は自身が手掛けるChatGPTのような生成AIが普及することで仕事が減少し、雇用が奪われる可能性がある未来に備えて、最低限の所得を補償するベーシックインカムの仕組みをワールドコインで作ろうとしていると見られています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・ワールドコインは対話型AI、ChatGPTを開発したOpenAIのCEO、サム・アルトマン氏が手掛ける新たな暗号資産である。
・このワールドコインを持つためには、ユーザー登録が必要であり、登録には生体認証を使い、ワールドコインの運営組織が各地に置く“オーブ”と呼ばれるボール状の装置に網膜をスキャン、虹彩と呼ばれる部分を読み取ることで完了する。
・登録が終われば、25ワールドコインが無料で付与されるうえに、毎週、1ワールドコインを受け取れる。
・既にコインは海外の暗号資産交換所で1コイン、約2ドル程度で取り引きされている。
・7月24日から本格的にスタートしたワールドコイン、世界、20の国や地域で、これまでに200万人以上が登録したといい、20億人の登録を目指すという。
・アルトマン氏はChatGPTのような生成AIが労働者の仕事を奪ってしまうことを懸念している。
・そのため、ワールドコインの仕組みを世界に広げ、最低限の賃金を補償するベーシックインカムを支給してもらう構想もあるという。
・将来、高度な生成AIがネット上で人間に成りすます可能性があることから、生態認証を使ったワールドコインによって、AIと人間を区別出来る。
・一方、アメリカのプライバシー保護団体が「プライバシーの悪夢が起こり得る」と、警鐘を鳴らすなど、世界でワールドコインをけん制する動きが始まっている。
・アルトマン氏は自身が手掛けるChatGPTのような生成AIが普及することで仕事が減少し、雇用が奪われる可能性がある未来に備えて、最低限の所得を補償するベーシックインカムの仕組みをワールドコインで作ろうとしていると見られている。

要するに、番組でも伝えているように、アルトマン氏は、生成AIが労働者の仕事を奪ってしまうことを懸念しており、こうした対応策として、新たな仮想通貨、ワールドコインの仕組みを世界に広げ、最低限の賃金を補償するベーシックインカムを支給してもらう構想を持っているということなのです。
しかも、この構想は、単なる構想ではなく、既に以下のように金額はわずかであるものの、現実に機能し始めているのです。
・登録が終われば、25ワールドコインが無料で付与されるうえに、毎週、1ワールドコインを受け取れる。
・既にコインは海外の暗号資産交換所で1コイン、約2ドル程度で取り引きされている。

こうした構想の実現は未来を先取りする、とても意味の取り組みだと思います。
一方、ビジネスの観点からすると、OpenAIがワールドコインという仮想通貨の発行元になるということは、仮想通貨とは言えども国家と同様に通貨をいかようにも発行出来る立場になるのです。
ですから、ここから生まれる利益はかなりの額になると見込まれます。
また、将来的に各国が使っているドルや円などの既存の通貨に取って代わる可能性も秘めています。(添付参照)
ですから、どこかの時点で仮想通貨が大きな規制の対象になるリスクはあると見込まれます。


添付)

仮想通貨が既存の通貨に取って代わる可能性は?
ChatGPT
仮想通貨が既存の通貨(法定通貨)に取って代わる可能性はありますが、これは複雑で多岐にわたる要因に依存します。以下は、その一部です:
1.受け入れと信頼性: 仮想通貨が広く受け入れられ、一般の信頼を得ることができれば、それが法定通貨と同等の地位を確立する可能性があります。企業や消費者が仮想通貨を普段の取引に使用する度合いが重要です。
2.規制環境: 仮想通貨の規制が整備され、法的な基盤が整えば、これが安定性や信頼性を高め、法定通貨としての地位を強化する要因になります。逆に、規制の不透明さや厳格な規制があれば、逆効果となる可能性があります。
3.技術の進歩: 仮想通貨技術(ブロックチェーンなど)が進歩すれば、より効率的で安全な取引手段としての信頼性が向上します。これにより、法定通貨に代わる選択肢としての地位を確立する可能性があります。
4.インフラストラクチャの整備: 仮想通貨を利用するためのインフラストラクチャが整備され、使いやすくなることが重要です。これには、取引所、ウォレット、決済システムなどが含まれます。
5.価格の安定性: 仮想通貨の価格が大きな変動を示す場合、一般の人々が仮想通貨を安定した価値の取引手段として利用することが難しくなります。価格の安定性は法定通貨の重要な特徴の一つです。
6.政府や中央銀行の態度: 仮想通貨に対する政府や中央銀行の態度が大きな影響を持ちます。一部の国では仮想通貨を歓迎し、規制を整備している一方で、一部では慎重な立場を取る国もあります。
現時点では、仮想通貨が法定通貨を完全に取って代わる可能性は低いと考えられています。しかし、技術の進化や規制の整備、市場の変化により、将来的な進展が期待されています。

 
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