2023年11月09日
アイデアよもやま話 No.5734 活躍するバーチャルヒューマン!
7月17日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で活躍するバーチャルヒューマンについて取り上げていたのでご紹介します。 

こちらをご覧下さい。
一見すると生身の人間のようですが、実はCGで作られた仮想の、いわゆるバーチャルヒューマンなのです。
今、企業が広告にこのバーチャルヒューマンを起用する動きが広がっています。

世界的なファッションブランドのモデルに次々抜擢され、アメリカの経済紙「Forbes」で、希望を与え、道を示した女性、100人に選出。
SNSのフォロワーは総計100万人を超えるカリスマモデル「imma(イマ)」。
実は彼女、CGで作られたバーチャルヒューマンなのです。(こちらを参照)
カリスマモデル、「imma」を生み出したのは2019年に設立された株式会社Aww(アウ 東京・目黒区)、社員は24人。
バーチャルヒューマンの開発やプロデュースを専門とする会社です。
静止画だけではありません。
動画まで。
まるで生身の人間のようなリアルな姿は一体どうやって作っているのでしょうか。
Awwの代表、守屋貴行さんは次のようにおっしゃっています。
「何か画像から合成させたりだとか、そういったことは一切しなくて、本当にうちの技術者がゼロからCGでこの顔を作って生み出しています。」

芸能人やモデルの写真をもとに作っているわけではなく、いま流行りの画像生成AIも使っていません。
どんな顔にしたいかは骨格作りでほぼ決まります。
その骨格に皮膚と髪の毛を載せて、色をつけていきます。
Awwのプロデューサー、ジューストー紗羅さんは次のようにおっしゃっています。
「人間の皮膚はディテールとか色とか、ただ肌色というのは全くなくて、青があったりピンクがあったりとか。」
「じゃないとリアルに見えないんですよ。」

数ヵ月かけて出来上がったのがこちら。
まつ毛1本1本まで作り込まれています。
守屋さんは次のようにおっしゃっています。
「「これは良くない」、「これは良い」というバーチャルヒューマンの差って、本当に細かいところまでこだわりきれているかというところが結構大きくて、世界的にもうちのCGのクオリティはすごい高いと思います。」

企業はなぜバーチャルヒューマンを広告に起用するのか、BMWは昨年、新型EV「i4」のモデルに「imma」を選びました。
BMWのシニア・マネージャー、京谷麻矢さんは次のようにおっしゃっています。
「バーチャルヒューマンと新型EVの「i4」、つまり最新のテクノロジーを使ったもの同士なんだなというイメージをつくることが大事かなと思います。」
「バーチャルヒューマンという存在がクリーンでスキャンダルがないっていうのもありますね。」
「そういった意味でマーケティングとしても安心であると。」

更に音楽業界でもバーチャルヒューマンを起用する動きが。
ソニー・ミュージックエンタテインメントから3月にデビューしたのがバーチャルヒューマンのアーティスト、「ANNA(アンナ)」(こちらを参照)。
現在、楽曲を制作中。
AIによる音声合成技術を活用して年度内にもリリースする予定です。
ソニー・ミュージックエンタテインメント デジタルコンテンツ本部の正田宗大さんは次のようにおっしゃっています。
「喉の調子や体調とか、人間だったら仕方ないようなことがバーチャルヒューマンだと、それがないというところで、肉体もデジタル上にしかないので、同時多発的に各地でライブをやることも可能だったりするので、チャンスがすごく広がるんじゃないかなと思っているところでもあります。」

一方、バーチャルヒューマン「imma」を生み出したAwwは新たな事業に乗り出そうとしていました。
スマホをカメラモードにして体を動かすと、バーチャルヒューマンがリアルタイムで同じ動きをします。
顔の表情まで。
笑った顔や悲しんでいる顔、更に怒った顔によるまで自由自在、この技術を使って、初めてバーチャルヒューマンのライブ配信に挑戦するというのです。

6月18日、バーチャルヒューマンによるライブ配信の当日、午後8時、ライブスタート、バーチャルヒューマンの声は専属のタレントが担当しています。
約300人が試聴した初のライブ配信は大成功。
今後はバーチャルヒューマンとして活動する人をオーディション形式で採用して、年内に更に数体をデビューさせる予定です。
守屋さんは次のようにおっしゃっています。
「日本から世界に向けたスターを生み出したいと僕はずっと思っているので、バーチャルヒューマンをどんどんどんどん活用して、エンターテイメントとして勝負出来るようなビジネスをどんどん広げていきたいなと思っています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・今、一見すると生身の人間のようだが、CGで作られた仮想のバーチャルヒューマンを起用する動きが企業の広告で広がっている
 -世界的なファッションブランドのモデルに次々抜擢され、アメリカの経済紙「Forbes」で、希望を与え、道を示した女性、100人に選出されている

(バーチャルヒューマンのカリスマモデル「imma」)
・SNSのフォロワーは総計100万人を超える
・2019年に設立された、バーチャルヒューマンの開発やプロデュースを専門とする株式会社Awwが生み出した
・静止画だけでなく、動画まで制作している
 -生身の人間のようなリアルな姿はAwwの技術者がゼロからCGで生み出している
 -まつ毛1本1本まで作り込まれており、製作には数ヵ月をかけている
・BMWが昨年、新型EV「i4」のモデルに「imma」を選んだ理由は以下の通りである
 -バーチャルヒューマンと新型EVの「i4」、つまり最新のテクノロジーを使ったもの同士というイメージをつくることが大事だと思った
 -バーチャルヒューマンという存在がクリーンでスキャンダルがないのでマーケティングとしても安心である

(「imma」を生み出したAwwの新規事業への取り組み)
・スマホをカメラモードにして体を動かすと、バーチャルヒューマンがリアルタイムで顔の表情まで同じ動きをする
・6月18日、この技術を使って、初めてバーチャルヒューマンのライブ配信に挑戦した
 -バーチャルヒューマンの声は専属のタレントが担当している
 -約300人が試聴した初のライブ配信は大成功した
・今後はバーチャルヒューマンとして活動する人をオーディション形式で採用して、年内に更に数体をデビューさせる予定である
・Awwの代表、守屋さんは、今後、バーチャルヒューマンをどんどんどんどん活用して、エンターテイメントとして勝負出来るようなビジネスをどんどん広げていきたいと思っている

(バーチャルヒューマンのアーティスト、「ANNA」)
・ソニー・ミュージックエンタテインメントから3月にデビューした
・現在、楽曲を制作中で、AIによる音声合成技術を活用して年度内にもリリースする予定である
・「ANNA」の特徴は以下の通りである
 -バーチャルヒューマンなので肉体もデジタル上にしかなく、喉の調子や体調などを心配する必要がない
 -同時多発的に各地でライブをやることも可能なのでチャンスがすごく広がると期待出来る

なお、バーチャルヒューマン「imma」は内閣府による「クールジャパン・マッチングアワード2021」において奨励賞を受賞しています。(こちらを参照)
また、Awwは今後「バーチャルヒューマン × 生成系AI」の可能性や3DCG技術のブレイクスルーを模索していくといいます。(こちらを参照)

そもそも人々はその時代、その時代の状況、あるいは雰囲気に合わせて様々な商品に対する潜在需要が生まれてきます。
そして、その時代の技術レベルに応じて、その潜在需要を満たす商品を開発・販売した企業が成長を遂げるわけです。

そして、今、モデル業界においても、生成AIという画期的な技術を活用することにより、今の時代にマッチした理想的なバーチャルヒューマンが次々に生まれようとしているのです。
今回ご紹介したカリスマモデル「imma」に代表される、こうしたモデルは顔のかたちや表情、背の高さも自在で、制作者のイメージ通りに作ることが出来ます。
一方、バーチャルヒューマンのアーティスト「ANNA」も「imma」のスタイルの上に声の特徴や声の高さも制作者のイメージ通りに作りあげることが出来ます。

このようなバーチャルヒューマンは人間と違って以下のような特徴があります。
・制作者のイメージを最大限に膨らませ、実現出来る
・全く疲れを知らない
・いくらでもコピー出来る
・従って、世界中、いつでも、どこでも24時間、365日活動することが出来る

ですから、現在活躍されているモデルやボーカリストもうかうかしていられません。
強力なライバルが現れたのです。

なお、こうした流れはいずれリアルな世界にも波及していくと思われます。
それはヒューマノイドです。(添付1参照)
生成AI、およびロボットといった技術の更なる進化と融合により、カリスマモデル「imma」やアーティスト「ANNA」がといったバーチャルヒューマンがヒューマノイドとして現実の世界に登場するような時代が何十年後かにはやってくるのです。

ちなみに、アイデアよもやま話 No.5642 Vチューバーとコラボした新たなビジネスの可能性!でご紹介した初音ミク(添付2参照)はこうしたヒューマノイドの先駆けと言えます。

なお、「imma」は2019年に設立されたベンチャー企業、Awwにより生み出されたのです。
ですから、やはり生成AIのような革新的な新技術を活用して真っ先に事業化するのはいつの時代もベンチャー企業が中心になるのです。
ですから、チャレンジ精神の旺盛なZ世代と言われる若い世代の方々にとって、今の時代は絶好の起業のチャンス到来なのです。


添付1)

ヒューマノイドとは?
ChatGPT
「ヒューマノイド」は、人間に似た外見や形状を持つロボットや生物のことを指します。この用語は、人間の特徴や形状、動きを模倣するデザインや技術に関連して使用されます。ヒューマノイドロボットは、通常、二本の脚、二本の腕、頭部など、人間に似た構造を持ち、人間と同じように物を操作できるように設計されています。
ヒューマノイドロボットは、さまざまな用途で使用されています。例えば、研究目的で使用され、人間の行動や動きの理解を深めたり、災害救助のために危険な場所に派遣されたりすることがあります。また、エンターテインメント業界では、ヒューマノイドロボットがテーマパークや映画で使用され、観客を楽しませるために活用されています。
ヒューマノイドという言葉は、外見だけでなく、動作や行動の類似性も指すことがあります。したがって、ロボットだけでなく、人間に似た形態や特性を持つ生物についても「ヒューマノイド」という言葉が使用されます。

添付2)

初音ミクとは?
ChatGPT
初音ミク(はつねミク、Hatsune Miku)は、日本のバーチャル・ポップ・スターであり、バーチャル・シンガーの代表的なキャラクターです。彼女はクリプトン・フューチャー・メディアが開発したVocaloid(ボーカロイド)シンセサイザーソフトウェアのキャラクターで、声を合成するために使用されています。初音ミクは架空のアイドルとしてデザインされ、歌声を合成することができます。
初音ミクの特徴的な外見は、長い水色のツインテール髪型、セーラー服風の衣装、タイツ、そしてヘッドフォンです。初音ミクの声は、実際の歌手やボーカリストが録音したものではなく、コンピュータプログラムによって合成されます。ユーザーはVocaloidソフトウェアを使用して、初音ミクの声を使って歌を制作することができます。
初音ミクは日本国内外で非常に人気があり、コンサートやライブパフォーマンスで実際のステージに立つこともあります。彼女はコミュニティによって新しい楽曲やアートワークが作成され、ファンからの支持を受けています。初音ミクは、バーチャルアイドルや音楽クリエーションの分野で革新的な存在となり、ボーカロイド文化の一部として広く認識されています。

 
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