2023年08月26日
プロジェクト管理と日常生活 No.832 『ハワイのマウイ島で起きた山火事の原因と再発防止策』
8月14日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でハワイのマウイ島で起きた山火事について取り上げていたのでご紹介します。 

ハワイのマウイ島で起きた山火事で現地当局は8月13日、96人の死亡か確認されたと発表しました。
未だ約1000人と連絡が取れず、死者は更に増える恐れがあります。
山火事の原因は調査中ですが、一部には切れた送電線が出火原因との見方もあります。
地元の電力会社は強風が見込まれたものの、送電線の切断に供えた計画停電を行わなかったため、地元当局は関係機関の対応を検証する方針です。
この山火事について、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「今回、気になるのは警報のサイレン80基が作動しなかったということが伝えられるなど、問題点が浮き彫りになっていると思うんですね。」
「そうした中で非常に印象的なのは、アップルのiPhone14なんですけども、その緊急SOS、衛星通信サービスを使って助けを求めるメッセージを発信して救助が間に合ったというケースがあるんですよね。」
「(火事で地上の通信インフラが駄目になっても衛星通信が役に合ったということですが、)そこなんですよ。」
「ただ、今この機能が使えるのはiPhone14、そして iPhone14 proだけと言われています。」
「しかもですね、地域がアメリカやヨーロッパに限られているということなんですね。」
「ですけどね、日本は災害が多いでしょ。」
「日本でも使えるようになると本当にいいなと思うんですけどね。」
「(今年は関東大震災から100年という節目の年でもあるので、あらためて災害被害を減らす手段を考え直してもよい時なのかもしれないという指摘に対して、)」そうですね、寺田虎彦「天災は忘れた頃にやってくる」といいますからね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

また、8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)でも同じテーマについて取り上げており、以下の記述があります。

・事前に強風が見込まれていたが、地元電力会社は危険回避措置として計画停電に踏み切らなかった。
・マウイ島は強風に見舞われ、山火事が起きた8日前後には電柱約30本が倒された。地面に落ちた送電線には通電していたものもあったという。

また、8月17日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも同じテーマについて取り上げていたのでご紹介します。 

ハワイ、マウイ島の山火事で地元警察によりますと、これまでに111人の死者が確認されました。
また、住民に危険を知らせる警報サイレンが作動しなかったことで被害の拡大につながった可能性が指摘されていることについて、地元の防災当局は16日の記者会見で、サイレンは「津波用だ」として、サイレンの不作動は正当だとする見解を示しました。
会見で、サイレンを鳴らさなかったことを後悔しているかとの質問に対し、防災当局は「後悔していない」と強調しました。
こうした状況について、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「マウイ島を訪れた人というのは、このラハイナという町は本当に風光明媚ないい雰囲気を持った港町で、ここがほとんど焼失しているというのは本当にショックですね。」
「(日本政府も支援金を出すということで、各方面から支援の輪が広がっているが、)実はマウイ島というのは“脱炭素”、特に風力を生かした精神的な取り組みで知られるんですね。」
「ですから、復興させる時に歴史的な建造物を完全に復元するというのは難しいかもしれませんけども、例えば“脱炭素”みたいなものを切り口にして、未来志向で復興が進むといいなと思いますね。」
「それだったら、日本の日立なんかが参加して、今でもプロジェクトやってますから、日本企業が出来ることは沢山あると思いますね。」
「(資金と同時に技術で支援するという指摘に対して)そうですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以上、3つの情報源からハワイのマウイ島で起きた山火事の原因、および被害を大きくした原因、そして再発防止策について以下にまとめてみました。
(山火事、および被害拡大の原因)
・事前に強風が見込まれていたが、地元電力会社は危険回避措置として計画停電に踏み切らなかった

・山火事での倒木により切れた送電線が出火原因と見られる
・警報サイレンは「津波用だ」として、80基が作動しなかった
・火事で地上の通信インフラが使えなくなった

こうしてみると、今回の山火事において、事前にリスク対応策が検討されていたにも係わらず、それが適切に、かつタイムリーに実施されておらず、被害が拡大したということで、とても残念に思います。
そこで、再発防止策は以下の通りです。
・事前に強風予報が出された場合には、地元電力会社は危険回避措置として計画停電に踏み切る
・警報サイレンは津波用と限定せずに、大災害時にも作動させる
・災害時用の連絡手段として地上の通信インフラに加え、衛星通信インフラを構築する

それにしても、なぜ警報サイレンは「津波用だ」としていたのか不可解です。
もし、今回の山火事でも警報サイレンが作動していれば、被害はかなり抑えられたのではないかと悔やまれます。

なお、日本においても、今回のマウイ島の事例をきっかけに衛星通信インフラの構築に取り組んでいただきたいと思います。

 
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