2023年08月17日
アイデアよもやま話 No.5662 調理ロボットのメーカーが飲食店を開業!
5月8日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で調理ロボットのメーカーによる飲食店の開業について取り上げていたのでご紹介します。

東京・渋谷、スペイン坂の一画に開店の準備をしている店がありました。
Oh my DOT シブヤです。(こちらを参照)
このお店を手掛けたテックマジック株式会社の白木裕士社長は次のようにおっしゃっています。
「スープヌードルのお店です。」
「ロボットがスープヌードルを作ります。」

店の中央にはロボットが設置されています。
その下にはカラフルなものが沢山、これらはスープの素です。
調理してゼラチンで固めたもので、カレー味やイカ墨味など、全部で10種類、注文はセルフレジでします。
スープの素は3種類まで選べます。
そして麺は3種類から選択して注文すると、ロボットが動き始めました。
スープの素をつかんでカップの中へ。
ロボットはカメラで捉えた画像から10種類のスープの素がどこに配置されているかを認識して素早く正確につかむとこが出来るのです。
スープの素を入れたら、お湯を注いでスチームで85℃以上に温めて液体のスープに。
ここまでの作業がロボットの役目。
後は人の手で麺を入れて、具材を載せて出来上がり。
カツオ、ゴマ、チャウダーの素を混ぜ合わせたスープ・ヌードル、ホンコン麺、値段は790円です。
注文から2分ほどでお客に提供出来ます。
組み合わせると175種類にもなるスープを素早く、正確に作れるのが調理ロボットの強みです。

それにしても、なぜロボットのメーカーが自ら飲食店を出店するのでしょうか。
白木社長は次のようにおっしゃっています。
「外食産業は深刻な人手不足に陥っています。」
「今回、このような店舗を設けることで、ロボットの使い方、ロボットの周知を、外食産業にしていきたいなと思っています。」

2018年に創業したテックマジック、飲食店向けの調理ロボットを次々と開発し、これまでに約23億円の資金を調達しています。

こちらは最新の中華料理ロボット、材料を入れ、スイッチを押して鍋を回転させるだけ。
メニューによって鍋の温度や回転数を変えることで麻婆豆腐や野菜炒めなど、本格的な中華料理が作れるといいます。(こちらを参照)
白木社長は次のようにおっしゃっています。
「この調理ロボットは大手中華料理チェーン様に導入を予定しております。」

調理ロボットのメリットは人手不足の解消だけではありません。
ここは昨年オープンしたスパゲッティ専門店、エビノスパゲッティ(東京・丸の内)、厨房で調理をしているのはテックマジックとこの店を運営するカフェチェーンのプロントが共同開発したパスタ自動調理ロボットです。(こちらを参照)
同時に3つまで調理出来ます。
最後は人が盛り付け。
パスタがゆで上がってから約1分15秒で完成。
ある女性客は次のようにおっしゃっています。
「出てくるのが早いし、でも美味しいからいいなと思います。」

ロボット導入の効果について、エビノスパゲッティの責任者、加藤将治さんは次のようにおっしゃっています。
「やはりオフィス街で時間のない方が来られることも多いので、常に美味しいパスタを早く提供することが出来ます。」

4月29日、テックマジックのスープヌードルのお店がオープンと当日を迎えました。
先着で300人に無料で提供するとあって、開店から人だかり。
来店客からは以下の声が。
「お菓子みたいでかわいいです。」

「テクノロジーの進化を感じますね。」

「美味しいです。」

「エンタメ性もあって、省人化が出来て、美味しいものが食べられるのは良いと思う。」

今後はAIを活用して、後継者のいない名店の味を調理ロボットで再現していきたいといいます。
白木社長は次のようにおっしゃっています。
「これから日本の食文化、ものづくりを結集した調理ロボットを世界中に浸透させていきたい。」

テックマジックでは今後、組み合わせ次第で様々な調理が出来るロボットの開発を進めるということで、更に食べる人の健康状態や好みに合わせて調理するロボットも開発したいとしています。
より自分好みにカスタムメイド出来るということです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
(ロボットのメーカー、テックマジックが自ら飲食店を出店する理由)
・外食産業は深刻な人手不足に陥っている
・そうした中、自ら飲食店を出店することで、調理ロボットの使い方を外食産業に周知していくこと

(調理ロボットによるスープヌードル作りの事例)
・店内に設置された調理ロボットの下には調理してゼラチンで固めた、カレー味やイカ墨味など、全部で10種類のスープの素が配置されており、注文はセルフレジでする
・スープの素は3種類まで選べる
・そして麺は3種類から選択して注文すると、ロボットが動き始め、スープの素をつかんでカップの中へ入れる
・ロボットはカメラで捉えた画像から10種類のスープの素がどこに配置されているかを認識して素早く正確につかむことが出来る
・スープの素を入れたら、お湯を注いでスチームで85℃以上に温めて液体のスープに、ここまでの作業がロボットの役目である
・後は人の手で麺を入れて、具材を載せて出来上がり
・カツオ、ゴマ、チャウダーの素を混ぜ合わせたスープ・ヌードル、ホンコン麺、値段は790円である
・注文から2分ほどでお客に提供出来る
・組み合わせると175種類にもなるスープを素早く、正確に作れるのが調理ロボットの強みである

(中華料理ロボットの事例)
・材料を入れ、スイッチを押して鍋を回転させるだけで、メニューによって鍋の温度や回転数を変えることで麻婆豆腐や野菜炒めなど、本格的な中華料理が作れる
・この調理ロボットは大手中華料理チェーン様に導入を予定している

(パスタ自動調理ロボットの事例)
・テックマジックとカフェチェーンのプロントが共同開発したパスタ自動調理ロボットは同時に3つまで調理出来る
・最後は人が盛り付ける
・パスタがゆで上がってから約1分15秒で完成する
・美味しいパスタを早く提供出来る

(テックマジックの今後の取り組み)
・AIを活用して、後継者のいない名店の味を調理ロボットで再現していく
・これから日本の食文化、ものづくりを結集した調理ロボットを世界中に浸透させていく
・組み合わせ次第で様々な調理が出来るロボットの開発を進める
・更に食べる人の健康状態や好みに合わせて調理するロボットも開発するというように、自分好みにカスタムメイド出来るようにする

(調理ロボットのメリット)
・人手不足の解消
・美味しい料理を素早く完成させる
・安い価格で提供出来る

以上、番組の内容をまとめてみましたが、テックマジックでは既にスープヌードル、中華料理、パスタといったように様々な料理を調理ロボットで作れるまでに至っています。
しかも、お客の評判も上々のようです。
ですから、こうした取り組みは深刻な人手不足に陥ってる外食産業にとっては救世主的な役割を果たすと期待出来ます。
更にテックマジックの今後の取り組みが実際に成果を出した暁には、国内外を問わず、大変な反響を呼ぶと期待出来ます。

なお、名店の味を再現する取り組みについては、アイデアよもやま話 No.5601 ミシュラン料理の再現による新サービス!でも取り上げましたが、こちらは飽くまでもレシピをもとに人手によるものでした。
それを調理ロボットで完全に実現するのはかなりハードルが高いと思われます。
しかし、全てを調理ロボットに任せないまでも、いろいろな名店の味を世界展開出来れば、世界的規模での外食産業の一画を担うとても大きな存在になると期待出来ます。
ということで、是非テックマジックには目標を達成して、日本の食文化の素晴らしさを世界中のより多くの人たちに知らしめ、日本食を堪能させていただきたいと思います。
なお、世界中には日本以外にも素晴らしい食文化は沢山あるはずです。
ですから、その優れた調理ロボットの技術力で更にこうした海外の食文化の伝道師としても貢献していただきたいと思います。

 
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