2023年06月26日
アイデアよもやま話 No.5617 アマゾン「置き配」促進のアイデア」
3月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でアマゾン「置き配」促進のアイデアについて取り上げていたのでご紹介します。

宅配便などの運び手が足りなくなり、配送が遅れることなどが懸念される、いわゆる2024年問題が1年後に迫っています。
宅配などに携わる企業が対策を急ぐ中、ネット通販大手のアマゾンジャパンは3月2日、マンションでの「置き配」を促進するための協業を発表しました。
物流の停滞を防ぐことは出来るのでしょうか。

3月2日、アマゾンと三井不動産のグループ会社が行った発表会(東京・中央区)、アマゾンジャパンのアヴァニシュ・ナライン・シングさんは次のようにおっしゃっています。
「このサービスはビジネスにとって大きな成功要因だ。」

発表したのは、新たな「置き配」サービス「Key for Business(キー・フォー・ビジネス)」、配達ドライバーは、まず専用のアプリを通じてマンションの正面玄関を開けるようリクエストします。
マンション側に設置されたシステムがドライバーのIDや商品、配達時間などを確認したうえで、オートロックを解除する仕組みです。
ドライバーはお客の玄関先に商品を「置き配」出来ます。
配達ドライバーは次のようにおっしゃっています。
「一度行った場所に二度行くこともありますので、時間もかかりますし、そういうところでは大変なものではあると思います。」
「それが短縮されるというのは、かなり我々にとってはメリットがあると思っています。」

2021年に初めて日本に導入された「キー・フォー・ビジネス」、昨年末時点で5000棟以上のマンションに設置されていて(2022年末時点)、設置されたマンションでは再配達を80%削減出来ているといいます。
アマゾンはこのシステムを三井不動産のグループ会社が管理する物件に本格導入し、再配達の削減につなげます。
この新サービスについて、シングさんは次のようにおっしゃっています。
「お客が不在の場合でも、そうでない場合もドライバーの利便性を向上させ、再配達を減らすことが出来る。」

このようなサービスを始めた背景にあるのが物流業界の2024年問題です。
来年4月からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化、宅配便の増加などで長時間労働が慢性化しているトラックドライバーの働く環境を改善するのが狙いですが。人手不足が更に深刻となり、荷物などの配送に遅れが生じるといった事態が懸念されているのです。
こうした中、アマゾンでは昨年から配送効率を上げるためにこんなサービスも始めています。

今朝(3月2日)、居酒屋、三代目鳥メロのフランチャイズ、旗の台店(東京・品川区)のオーナー、齊藤誠孝さんのもとに届いたのはアマゾンの商品です。
齊藤さんは次のようにおっしゃっています。
「毎日、朝、荷物(商品)が箱で届くので、それを近所に配送させていただいてます。」

商品を保管している物流倉庫と配達先の各家庭などとの間で地域の配送拠点として居酒屋の店舗を活用、齊藤さんは空き時間を利用して商品を配達することで、アマゾンから収入を得られるというものです。
コロナ禍で本業の客足が減る中、配送という副業が出来たことは大きかったと齊藤さんは話します。
「すごい助かりました。」
「その時々のスケジュールの合わせて、荷物の量を細かく決められるので、それは本業にも支障が出ないように出来るんで、すごいいいなと、」

アマゾンは地元をよく知るオーナーたちに自転車や徒歩で配達してもらうことで、新たな配達の担い手を作り出しています。
このような新たなサービスが2024年問題の解消につながるのかについて、シングさんは次のようにおっしゃっています。
「問題を解決するために私たちは新たしいプログラムを全て行っている。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・宅配便などの運び手が足りなくなり、配送が遅れることなどが懸念される2024年問題が1年後に迫っている
・ネット通販大手のアマゾンジャパンは3月2日、マンションでの「置き配」を促進するための協業を発表した
・発表したのは、新たな「置き配」サービス「Key for Business(キー・フォー・ビジネス)」で、以下のような仕組みである
-配達ドライバーは、まず専用のアプリを通じてマンションの正面玄関を開けるようリクエストする
 -マンション側に設置されたシステムがドライバーのIDや商品、配達時間などを確認したうえで、オートロックを解除する
 -ドライバーはお客の玄関先に商品を「置き配」出来る
・新たな「置き配」サービスには以下のようなメリットがある
 -配達ドライバーは再配達が不要になるので、その分、宅配作業が削減される
 -新たな「置き配」サービスを導入したマンションでは再配達を80%削減出来ているという
・アマゾンはこのシステムを三井不動産のグループ会社が管理する物件に本格導入し、再配達の削減につなげる
・このようなサービスを始めた背景にあるのが物流業界の2024年問題である
・こうした中、アマゾンでは昨年から配送効率を上げるために以下のサービスも始めている
 -商品を保管している物流倉庫と配達先の各家庭などとの間で地域の配送拠点として居酒屋などの店舗を活用する(このサービスについては既にアイデアよもやま話 No.5545 アマゾンによる人手不足に向けての新たな取り組み!で紹介済)

さて、アマゾンでは既に戸建て住宅での「置き配」を始めていたことは知っており、我が家でも既にこのサービスを利用する旨の申請をアマゾンにしてあります。
ですので、以前は不在の折には不在通知が郵便受けに入れられており、再配達の依頼をする必要があったのですが、現在はそうしたことは不要になっています。
ですから「置き配」はアマゾンにとっても荷物を受け取る側にとってもメリットがあります。
なお、このサービスを利用するに当たり、盗難が心配でしたが、盗難の際にはアマゾンが保障してくれるので安心して「置き配」を利用出来ます。(こちらを参照)

我が家で「置き配」を利用する際、マンションでの適用は難しいだろうと思っていたのですが、アマゾンは既に2021年に今回ご紹介したように、専用のアプリを通じて「置き配」をマンションでも展開を始めていたことをこの番組で知りました。

アマゾンは物流倉庫の無人化も進めており、「置き配」や配送における地元の居酒屋などとの協業も進めています。
ですから、これからもドローンや自動運転車の配送における活用などにも先陣を切って積極的に取り組んでいくと見込まれます。

 
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