2022年12月25日
No.5460 ちょっと一休み その856 『総利益50億円のトップ個人投資家』
9月5日(月)放送の「モーサテ」(テレビ東京)で総利益50億円のトップ個人投資家について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

約300万円の元手から日本株を中心とした売買で約50億円の利益を上げてきた、個人投資家のテスタさんは次のようにおっしゃっています。
「(最近の相場での運用実績について、)8月は、僕はやること、なすことダメで、終わってみれば、運用益はマイナスで3億円ぐらいに達しました。」
「ただ、今年は7月の時点で14億円ぐらいプラスで推移しているので、それが今までで過去最高の年間利益が11億円ぐらいでしたから、それを上回ってたので、そこまで出来過ぎだったので、今のところ一喜一憂するほどではないかなと思っています。」
「本当にそういうふうで、飽くまでトータルの利益が一番大事なので、かみ合う時もかみ合わない時もあるので、今は仕方ないなと思って淡々とやっている感じです。」
「(運用益がマイナス3億円だった8月相場はトレンドフォローが出来なかった相場だったということなのかという問いに対して、)そうですね。」
「トレンドに乗って利益を上げることが出来なかったですね。」
「8月は決算期で、決算の結果を受けてトレードしてたんですけども、良い決算を受けて直後は大幅高になっても、そこから勢いが続かない銘柄が大型株には多かったんですね。」
「つまり、決算後の上昇トレンドに合わせて買ってたりしたんですけども、あまり利益を出せずに結局損切りになってしまいました。」
「決算結果がいいにも係わらず、トレンドがフォロー出来ないというのは、僕はもう苦手で、今は銘柄も沢山買ってるやつも絞ってたりしています。」
「同じように決算期が2月、5月とあったんですけど、その時は通用してたんですけど、それが今回は通用しなかったなという感じです。」
「(相庭全体を見てみると、日経平均も3月以降の2万5千円台から2万8千円台のボックスを一旦上抜けしたんですけど、そこから下げる展開になっているが、)そうなんですよね。」
「日経平均も週足で見ると、2万6千円と3万円のちょうど真ん中ぐらいにいるので、またボックス圏に戻ってしまったというのは残念ですね。」
「まあインフレとか戦争とか、今の世界情勢をいろいろ考えると、やはり以前に3万円にいたところよりはやっぱり状況は悪いと思っているので、やはりそんな簡単にはいかないなというのが今の日経だと思います。」
「でも、ただ、いつかトレンドというのは必ずどちらかに大きく発生する時があるので、それに備えて今は防御を固める時かなと感じてますね。」
「(防御を固めるということはテスタさんにとっても今は難しい相場になっているということなのかという問いに対して、)そうですね、感覚的には厳しいですね。」
「本当、僕たちトレーダーというのはその場その場のプライスで常に判断して、結局上がったり下がったりしたら、後付けで理由は付けれるんですけども、そういうわけにもいかないので、その時その時の判断が大事ですね。」
「で、まあ、ただ僕はずっと海運を追ってたりしたんですけども、今回の海運、3社、商船三井とかは14%ぐらいの配当利回りになっているんですね。」
「1年前に10%の配当利回りになった時は、僕はそこに魅力を感じて、買って大きな利益を上げたりしたんですけども、ただ同じ配当利回りを見ても14%でも今回は買うタイミングではないなと感じたんですね。」
「それは、やはりコンテナ不足とか解消されていってるでしょうし、そういうのも踏まえて、やはりそういう状況、状況に合わせて変えていけてるというのはまだ判断をミスってはいないのかなと思っています。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

今回ご紹介した個人投資家のテスタさんですが、驚くべきは約300万円の元手から日本株を中心とした売買で約50億円の利益を上げてきたという驚異的な運用実績です。
そこで、番組の内容を参考に、テスタさんの投資方針を中心に以下にまとめてみました。
・運用実績は月ごとに億円単位、年ごとには10億円単位で変動すること
・プロの投資家でもトレンドフォローが難しいこと
・必要に応じて、大胆な損切りをすること
・世界情勢などでトレンドは必ずどちらかに大きく発生する時があるので、そこを投資の大きなチャンスと捉えること
・常に中長期的な業績のトレンドを見て、投資銘柄を選択すること

さて、株式投資と言えば、今、資産運用の一環であるNISA(こちらを参照)が話題になっています。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。

なお、11月25日(金)付けネット記事(こちらを参照)でNISAについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

・政府は11月25日、少額投資非課税制度(NISA)の総口座数を5年間で3400万とし、投資額も56兆円に、それぞれ倍増させることなどを柱とする「資産所得倍増プラン」をまとめた。
・家計金融資産の多くは現預金に分類され、 年金・保険などを通じた間接保有を含めても、株式や投資信託、債券への投資は244兆円(約2000万人)にとどまるとされる。NISA拡充で2000兆円に上る家計金融資産を投資につなげ、「成長と資産所得の好循環」を実現させたい考え。
・新たなプランでは、5年間でNISAの総口座数を現在の1700万から倍増させ、28兆円の投資額も2倍にする。その後、家計による投資額(株式・投資信託・債券等の合計残高)の倍増を目指すとしている。
・NISA制度の恒久化を図るほか、非課税保有期間の無期限化と非課税限度額の引き上げを進めることも明記した。近く税制措置を与党で詰める。
・首相は分科会で、安定的な資産形成を行う環境を整備するとともに「職場を通じた資産形成の促進、金融経済教育の強化、国際金融センターの実現、顧客本位の業務運営の確保などを図り、貯蓄から投資へのシフトを実現していく」と強調した。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

要するに、NISAの拡充の狙いは、家計金融資産を投資につなげ、「成長と資産所得の好循環」を実現させることなのです。
一方、一般投資家の観点からも、今や銀行の利息はほとんどゼロ状態なので、銀行預金を続けるよりも、NISAによる投資をした方が良いという面もあります。
なぜならば、株価が多少下がっても、毎年の株式配当や株式優待制度による優待品をもらえるといったことから、売り急ぎをしなければトータルで損をするリスクは低くなります。
しかし、そうは言っても投資である以上、株式の大暴落とか投資銘柄の株価が何らかの理由で大きく下がってしまい、長期低空飛行状態に陥るリスクもあります。
ということでNISAによる資金運用にはリスクが伴うのですが、こうしたマイナスの面については国やマスコミはそれほど強調していないように感じます。

実は私も数年前から株式投資でNISAを利用しています。
しかし、当然ながら投資した銘柄で株価が上がったものもあれば、下がったものもあります。
幸いにして、今はトータルでは多少利益が出ている状態です。

なお、これからNISAを利用して株式投資をしようと考えておられる方々に対して、一般個人投資家の一人として、ささやかな注意点があります。
それは、投資資金についてです。
投資資金はくれぐれも日々の暮らしに影響のない範囲に止めるということです。
こうした注意を怠ると、たまたま暮らしに必要な資金を株式の売却で埋めようとしたタイミングで大暴落などで大きく株価が下がってしまうと、大変な損害を被ることになるからです。

 
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