2022年08月04日
アイデアよもやま話 No.5338 パナソニックが世界初の再エネ100%工場の実証実験開始!
4月15日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でパナソニックによる世界初の再エネ100%工場の実証実験開始について取り上げていたのでご紹介します。 

パナソニックの草津工場(滋賀県草津市)で4月15日から使用する電力の100%を再生可能エネルギーで賄うという世界で初めての実証実験が始まりました。
電気を作り出すのは工場の敷地にずらりと並んだ太陽光パネルです。
その数1820枚、ただ太陽光発電は天候に左右されるため、安定的な発電が出来ないため、工場の電力としては不向きな面もあります。
そこで今回、組み合わせて使うのが水素で発電する燃料電池です。
高さ1m76僉幅83僉奥行き42僂任垢、ずらりと並んだその数は99台です。
パナソニックの重田光俊執行役員は次のようにおっしゃっています。
「「エネファーム」という家庭用燃料電池の技術をベースに作成させていただいております。」
「小型のもの(燃料電池)を連結させることで、例えばメンテナンスしている時にも他のもの(燃料電池)で補完出来ますので、つまりエネルギーを止めることなく継続的に供給することが可能であります。」

小型化により必要な電力量に応じて必要な台数だけ発電させたり停止したりすることが出来るので効率的だといいます。
こうした水素を本格的に活用し、工場の全てを再生可能エネルギーで賄うのは世界で初めてとしています。
更に余った電気を蓄えるリチウムイオン蓄電池(バッテリー)を活用し、太陽光、燃料電池(水素)、蓄電池の3つで工場で使う電力を賄います。

パナソニックは今回の実証実験を経て、来年度から国内外の企業に向け、この発電システムの販売を計画しています。
ただ課題はコストです。
現状では燃料電池の発電に使う水素の価格が高く、電気を購入する場合と比べてコストは2倍以上になります。
パナソニックはこうした取り組みが広がれば、水素の価格は下がると見込んでいます。
重田執行役員は次のようにおっしゃっています。
「先行的にこの水素を利活用する、そんなソリューションを需要側(電気の使用者側)で実現してまいりたいと。」
「例えば商業施設や店舗、そして今後はスマートシティなどへの利活用も将来的には考えられると思います。」

こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「2050年に温暖化ガスをゼロにするということを前提に考えると、10年後、20年後、こういう工場が日本でもどんどん出てきているというのは自然だろうと思うんですよね。」
「で、企業の脱温暖化ガスへの取り組みを測るのにスコープという物差しがあるんですよね。」
「で、自社、自社工場で温暖化ガスを一切出さないということ、これがスコープ1。」
「で、電力を購入するんですが、この時に火力電力とか化石燃料による電力は使わないというのがスコープ2なんですよ。」
「パナソニックはその先をちょっと考えようということなんですね。」
「で、スコープ3ではサプライチェーンに組み込まれている取引先の工場などで温暖化ガスを出さないと。」
「だから、グループというか、取引先も含めて全体で100%再生可能エネルギーに替えると。」
「で、実際はもうアメリカのアップルはこの目標を2030年に実現すると言っていて、日本の企業でそれが実現出来る工場を協力工場として公表しているんですね。」
「ただ、パナソニックも課題が多くて太陽光から水素を作って、水素を貯蔵して燃やしたり電気にする、そこまで行けばいいんですけど、日本は資源がないわけですからこのイノベーションを是非実現して欲しいですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、パナソニックによる再エネ100%工場の実証実験について以下にまとめてみました。
・パナソニックの草津工場で4月15日から使用する電力の100%を再生可能エネルギーで賄うという世界で初めての実証実験が始まった
・具体的には発電量が不安定な太陽光発電と水素で発電する燃料電池、そして余剰電力を蓄えるリチウムイオン蓄電池の組み合わせによる電力供給システムである
・パナソニックは今回の実証実験を経て、来年度から国内外の企業に向け、このシステムの販売を計画している
・課題は燃料電池のコストだが、パナソニックはこうした取り組みが広がれば、水素の価格は下がると見込んでいる

実はリチウムイオンバッテリーの価格もまだまだ高いのです。
ですから、パナソニックの取り組んでいる電力供給システムの普及の課題はいかに燃料電池とリチウムイオンバッテリーの価格を下げてビジネス展開をするかです。

ちなみに、パナソニックの公式ページには以下の記述があります。(こちらを参照)

現在、世界には様々な問題が存在しています。新興国の人口増加とともに世界の人口は70億人を突破。環境問題、資源の枯渇、CO2排出量の増加による地球温暖化の深刻化につながっています。日本国内では、東日本大震災を契機にして、被災地の本格復興と、電力不足への対策などが課題になっています。
これらの問題解決に共通して求められているのが、「持続可能な社会への転換」であり、キーワードとなるのが、都市のスマート化であり「エネルギーの地産地消」です。

これからは、スマートハウスとスマートハウスをネットワークし、共生させる。街の店舗、施設、コミュニティ、さらには地域全体まで再生可能なエネルギーの活用やエネルギーマネジメントを連携させ、エネルギー地産地消のくらしを広げていく。
このパナソニックのスマートシティの考え方と技術を結集し、実現したのが、Fujisawa SSTです。

Fujisawa SSTでは、サスティナブルな街を現実にするために、その道しるべとなり方向性を共有するための数値目標を設定しました。
数値目標は、エネルギーはもちろんのこと、節水、安心・安全など多角的に数値化することで街の価値も高めていきます。

以上、パナソニックの公式ページの一部をご紹介しました。

現在のFujisawa SSTのエネルギーの数値目標は再生可能エネルギー率30%ですが、上記の課題をクリア出来れば、Fujisawa SSTは「エネルギーの地産地消」を実現出来るのです。
そして、更にこの成果を国内外に向けて水平展開を図れば世界全体の「エネルギーの地産地消」を実現することが出来るというわけです。
ですから、上記の課題解決に向けて、明確な解決期限を設定し、国や関連企業が一丸となって取り組んでいただきたいと思います。

なお、企業の脱温暖化ガスへの取り組みを測るのにスコープという以下の物差しがあるといいます。
・スコープ1:自社(自社工場なども含む)で温暖化ガスを一切排出しない
・スコープ2:再生可能エネルギーで発電した電力のみを購入して使用する
・スコープ3:サプライチェーンに組み込まれている取引先の工場などで温暖化ガスを排出しない

実際にアップルではスコープ3を2030年に実現することを目標に掲げているので、アップルと取引のある日本の企業でも同様の目標を達成することが求められるというわけです。

このようなパナソニックやアップルによるエネルギーにおける地産地消、あるいは持続可能な社会の実現に向けた様々な取り組みがやがて持続可能な社会の実現をもたらすことになるのです。

 
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