2022年07月29日
アイデアよもやま話 No.5333 中ロは「兵器飢餓」で新冷戦の敗者に!?
7月4日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「兵器飢餓」で新冷戦の敗者になる中国とロシアについて取り上げていたのでその内容の一部をご紹介します。 

・ロシアの極めて安易な戦略で始まったウクライナ侵攻は、ロシアとロシアを支援する中国の運命すら変えかねない、大きな歴史の転換点をもたらしそうだ。
・第二次世界大戦が終わってから77年、欧州で再び戦争が始まった。ロシアのウクライナ侵攻は、超短期間で終結するという戦略の下で行なわれたが、現実は全く異なった様相になっている。
・侵攻で戦死のロシア軍将校が持っていた文書によれば、侵攻開始から12時間以内にウクライナが陥落すると予想していた。
・NATO(北大西洋条約機構)は6月30日、今後10年間を決める「新戦略概念」で、ロシアを「脅威」(敵国)と位置づけた。ロシアを支援する中国に対しては、「体制へ挑戦する」国家と警戒信号を上げた。中ロを世界秩序の破壊国とみており、ロシアはもちろん、中国にとっても容易ならざる局面に立たされたことは疑いない。
・第二次世界大戦後、旧ソ連が崩壊する1991年までの世界経済は、米ソがそれぞれの経済圏を形成して互いに没交渉であった。現在は、その後グローバル化経済によって壁は取り払われた。中ロも、その恩恵に浴して高い経済成長を実現できたのである。
・そのグローバル化経済が、これから本格化する「新冷戦」によって幕を閉じようとしている。
・西側諸国には経済的厚みと技術の蓄積がある。中ロにはそれがないのだ。ロシアは資源国家でモノカルチャー経済である。資源を売って耐久消費財を買う経済だ。中国は、西側諸国の借り物技術と人口世界一という市場規模だけである。西側の新技術導入がなければ、せっかくの労働力も宝の持腐れになる。
・中ロはグローバル化経済の恩恵に浴して高い経済成長を実現出来たが、NATOの「新戦略概念」によりロシアは「敵国」扱い、中国に対しては「準敵国」扱いにした
・従って、中ロは本格化する「新冷戦」によって大きなリスクに直面する。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

要するに、ウクライナ侵攻の長期化で軍事的にも経済的にも疲弊するロシアと、一帯一路戦略などで世界制覇を狙う中国はNATOを中心とする民主主義陣営の国々の結束を強めさせる結果を招いてしまったのです。
この記事の筆者、勝又壽良さんは、こうした事態において、以下の3つの観点から中ロは新冷戦の敗者になると予測しているわけです。
・同盟国のない国の戦いは、敗北するケースが圧倒的である。
・アメリカからの供給停止による半導体不足で武器生産が不可能になり「兵器飢餓」に陥る
・今は中ロに軍事的、経済的に依存している国々も中ロの「兵器飢餓」により中ロから離反する動きが出てくる

しかし、民主主義陣営の国々も中ロとの冷戦で無傷で済むわけではありません。
かなりの経済的なダメージを覚悟しても、覇権主義国家の支配する“暗黒の世界”到来を阻止するために民主主義陣営の国々は結束して真剣に中ロに対峙することが求められるのです。

 
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