2022年07月21日
アイデアよもやま話 No.5326 植物でスマホを充電!?
これまで太陽光や風力など、再生可能エネルギーによる発電について何度となくお伝えしてきました。
そうした中、4月7日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で植物発電について取り上げていたのでご紹介します。 

アイエヌイー株式会社の小林麻美さんは次のようにおっしゃっています。
「(植物発電は)植物が光合成(こちらを参照)などで生み出した糖を根から土の中に排出する時に、土の中にいる微生物が食べることによって生まれるエネルギーを利用した発電方法です。」

植物の根の周りには糖を餌にして電子を放出する発電微生物が沢山住んでいます。
ただ放出される電子はわずかなのでマグネシウムなどの電極を多く埋め込み蓄電池に溜め込みます。

未来の再生可能エネルギーとして開発された植物発電、スマホに充電出来るのは日本で初めてだそうです。
なお、この植物発電装置の商品名は「N−Energy」で価格、発売は未定です。
小林さんは次のようにおっしゃっています。
「植物発電は植物が元気でいれば半永久的に電力を生み出す力を持っているシステムですので、また電力を生み出した後に出るのは水のみという、非常にクリーンでサステナブルな事前エネルギーになり得る可能性を秘めていると思っています。」

今回取材したのは1.5m四方のスペースでしたが、700本もの電極が刺さっていました。
それでもスマホの充電に10時間かかるということで、この充電時間を解決するにはより広いスペースですとか植物、より多くの電極が必要なってくるということです。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組を通して、植物発電の特徴を以下にまとめてみました。
・植物発電とは植物が光合成などで生み出した糖を根から土の中に排出する時に、土の中にいる微生物が食べることによって生まれるエネルギーを利用した発電方法である
・植物の根の周りには糖を餌にして電子を放出する発電微生物が沢山住んでいるが、放出される電子はわずかなのでマグネシウムなどの電極を多く埋め込み蓄電池に溜め込む必要がある
・植物発電は植物が元気でいれば半永久的に電力を生み出す力を持っているシステムである
・電力を生み出した後に出るのは水のみである
・ただし、発電量はわずかなので、発電量を増やすためにはより広いスペースでより多くの植物、そしてより多くの電極が必要である

ということで、植物発電における植物と土の中にいる微生物との関係も食物連鎖(こちらを参照)の一つと言えます。
また、今やCO2は地球温暖化の元凶と見られ悪者扱いですが、植物が光合成をするうえでは欠かせない存在なのです。
なお、植物発電は現段階では実用的な発電装置としてはまだまだ研究開発の道半ばですが、今後の取り組みが期待されます。
ちなみに、どのような植物が光合成で生み出す糖の量が最も多いか気になってきました。

 
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