2022年06月16日
アイデアよもやま話 No.5296 AIによるスマート養殖!
3月4日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによるスマート養殖について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付けは全て番組放送時のものです。

来週から始まるくら寿司の「愛媛県フェア」、愛媛産のねたが並ぶ中、注目はこちらの真鯛、ある最新技術で育てられています。
東京にいながら愛媛県宇和島市にある養殖場のいけすにタブレット一つでエサをやることが出来るといいます。

開発したのはウミトロン株式会社というスタートアップ企業、いけすの上には四角い特殊な機械「ウミトロン セル」が設置されていて、アプリ上で時間を指定すれば、自動的にエサが投入され、1日に数回、船でエサやりに行く手間が省けます。
更に鯛の様子をAIが判定、状態に応じてエサの量を自動調整します。
そのAI桜鯛(1貫 110円)の味は厚みがあって程よく脂がのっているといいます。

近年、漁業は深刻な人手不足、2018年の漁業就業者は15万1701人と、1993年の32万4886人から比べると5年間で半分以下に減っています。
今後、くら寿司ではこの技術の活用を拡げていきたい考えです。
くら寿司の小坂博之さんは次のようにおっしゃっています。
「本格的に6月から導入させていただいて、その結果を持って幅広い魚種に反映することが出来れば、より多くのお客様にリーズナブルな商品を楽しんでいただけることが出来る。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

くら寿司が取り組んでいるAIによるスマート養殖について以下にまとめてみました。
・タブレットのアプリ上で時間を指定すれば、遠く離れた養殖場のいけすに自動的にエサが投入される
・更に鯛の様子をAIが判定し、状態に応じてエサの量を自動調整する
・こうした取り組みで以下のメリットが期待出来る
1日に数回、船でエサやりに行く手間が省ける
コスト削減により低価格で商品が提供出来る
深刻な人手不足対策にもなる
AIでのエサやり管理により、こうした技術の品質向上が図られる

なお、くら寿司ではこの技術の活用を今後とも拡げていきたい考えだといいますが、将来的には植物工場と同様に場所を問わず、魚の養殖場を設置することにより漁業の地産地消が可能な時代を向えるのではないかと期待出来ます。

一方、今後ともウミトロンのようなDX(デジタルトランスフォーメーション)の時流に乗ったスタートアップ企業が続々と登場して来ると思われます。
また、今回ご紹介したような技術は他の用途にも適用出来ると思われます。

 
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