2022年03月22日
アイデアよもやま話 No.5222 年間1800km分をEVのルーフで発電!
前回は大型EVについてご紹介しましたが、昨年11月15日(日)付けネット記事(こちらを参照)で年間1800km分をEVのルーフで発電する装置について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・昨年10月29日、ついにトヨタが新型EV「bZ4X」の詳細を発表。その詳細でいっそう目をひいたのが、オプション設定されるソーラーパネルの性能だ。
・明かされたスペックのなかでも、まず気になったのは装着車を設定するというルーフソーラーパネルの性能だ。社内の試算とはいえ、1年間で1800kmも走行できるだけの電力を発生することができるというのだから。
・最近は年間の走行距離がどんどん短くなっている傾向にある。日本のオーナーの平均値が1年で7000kmと言われているから、都市部で遠出をしないドライバーであれば年間5000kmも走らないケースも多いだろう。そのうち1800kmもルーフソーラーパネルの発電だけで賄えるとしたら、凄いことだ。
・現行のプリウスPHVにもルーフソーラーパネルはオプション設定されている。その能力は1日平均で2.9km走行分の電力を発電できると謳われている。つまり年間にして1058kmだから、bZ4Xはその1.8倍もの発電量を誇ることになる。
・プリウスPHVのルーフソーラーパネルはオプションで、その28万円という価格は、クルマの寿命まで発電しても電力価格と比べても元は取れないことはわかっている。
・走行中の電力消費にはソーラーパネルの発電量ではまだまだ追い付かないが、最大で10km走行分程度の電力は貯められるから、2、3日に1度の買い物程度の電力なら、ソーラーパネルだけで賄うことができそうだ(ただし晴天が続けば、だが)。
・クルマを走らせた後に、日なたに置いておくだけで減った蓄電量が復活するなんて、今までの常識からすると考えられないとは思わないだろうか。bZ4Xのルーフソーラーパネルは日本の都市部のドライバーにとって、非常に便利な装備になる可能性がありそうだ。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

以下に記事のポイントをまとめてみました。
・昨年10月29日、トヨタが新型EV「bZ4X」の詳細を発表したが、オプション設定されるソーラーパネルの性能は1年間で1800kmも走行できるだけの電力を発生することが出来るという
・最近の日本のオーナーの平均値が1年で7000kmと言われているから、都市部で遠出をしないドライバーであれば年間5000kmも走らないケースも多いとも見込まれ、そのうち1800kmもルーフソーラーパネルの発電だけで賄えるとしたら、ざっと25〜35%は太陽光発電だけで走行出来ることになる
・プリウスPHVのルーフソーラーパネルはオプションで、その28万円という価格は、クルマの寿命まで発電しても電力価格と比べても元は取れないことはわかっている
・走行中の電力消費にはソーラーパネルの発電量ではまだまだ追い付かないが、最大で10km走行分程度の電力は貯められるから、2、3日に1度の買い物程度の電力なら、ソーラーパネルだけで賄うことができそうだ(ただし晴天が続けば、だが)。
・bZ4Xのルーフソーラーパネルは日本の都市部のドライバーにとって、非常に便利な装備になる可能性がありそうだ

次に新型EV「bZ4X」の期待効果、および考慮点について、一部上記と重複しますが、以下にまとめてみました。
(期待効果)
・一般家庭用の太陽光発電は余剰電力を電力会社に売電は出来るが、オプションでバッテリーを購入しなければ蓄電は出来ない。それに対して「bZ4X」では搭載するバッテリーに蓄電出来るので、ソーラーパネルでの発電量を余すことなく全て「bZ4X」用の電力として使用出来る
・「bZ4X」のソーラーパネルは年間1800km走行出来るだけの発電をすることが見込まれることから、1kwh当たり6km走行すると仮定すれば、年間発電量は300kwh、1日当たり0.82kwhで1日当たりの航続可能距離は5kmということになる。従って2日に1回の割合で最寄りのスーパーなどに買い物に行く分の「bZ4X」に要する電気代は全てソーラーパネルでの発電で賄うことが出来る
・ソーラーパネルの発電出力、および低価格化の進歩とともに今後とも安くてより多く発電することにより太陽光発電での航続距離を伸ばすことが出来る
・100Vのコンセントを「bZ4X」に搭載することにより、「bZ4X」のバッテリーをスマホの充電などの電源として使用出来る
・更に「bZ4X」のボディ全体をソーラーパネルで包めば、発電量が増え、近い将来1日当たりの発電量を2kwh近くまで伸ばせると見込まれる
・ここまで「bZ4X」のソーラーパネルの発電量が増えると、1500wのコンセントを「bZ4X」に搭載することにより多くの家電が利用出来るようになるので非常時用の電源としての用途が広がる

(考慮点)
・駐車場が屋内にある場合、「bZ4X」搭載のソーラーパネルは外出しない限り、発電しない
・「bZ4X」をどこに駐車していても、ソーラーパネルの発電量は夜間はゼロ、また雨など天気の悪い日にはほとんど発電しない

ということで、以前からプリウスPHVにルーフソーラーパネルをオプションで搭載出来ることは知っていましたが、ルーフソーラーパネル搭載の「bZ4X」の登場で往復10km程度の街乗りを週に3回程度利用する分にはほとんど電気代がかからないというメリットが分かりました。

さて、ここで思い出したのは無色透明の発電ガラス(参照:アイデアよもやま話 No.5149 無色透明の発電ガラス!)です。
EVのみならず、一般家庭やオフィスビルなど多くの建物にこうした発電装置が搭載されれば、それだけでかなり地球に優しい“スマートワ−ルド”の実現に近づくことが出来るのではないかと期待出来そうです。
こうしてみると、太陽の持つエネルギーの凄さ、そして太陽光発電の威力をあらためて感じます。
また、今回ご紹介したように太陽光エネルギーの活用により、これまで指摘されてきた、「EVは走行時にはCO2排出量ゼロだが、使用するバッテリーの生産、あるいはバッテリーへの充電に火力発電を使用すれば、その時にCO2を排出しているのでCO2ゼロエミッションとは言えない」というEVの弱点をかなり改善出来るようになるのです。
しかも、こうしたバッテリーの余剰電力は家庭用電源、あるいは非常時用電源としての用途が広がると見込まれるのです。
ですから、多目的用途のEVとしてはまだまだEVは発展途上にあるのです。

 
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