2022年01月28日
アイデアよもやま話 No.5177 世界初で成功したブタの心臓の人体への移植手術!
1月11日(火)付けネット記事(こちらを参照)でブタの心臓の人体への移植手術について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・米メリーランド大学は10日、人体が拒絶反応を起こさないよう遺伝子操作された豚の心臓を米国人男性に移植する手術を成功させたと発表した。豚の心臓を人間に移植するのは世界で初めて。米国では臓器の不足が深刻な問題となっており、豚の臓器の移植に期待が高まっている。
・東京慈恵会医科大学の小林英司特任教授(移植・再生医学)は「画期的な出来事だ。心臓のような生命維持に直接関わる臓器を豚から移植し、少なくとも数日間生存できていることの医学的な意義は非常に大きい」と指摘する。
・米国ではドナーが不足している。米保健資源事業局によると現在約11万人の米国人が臓器移植を待っており、毎年6千人以上の患者が移植を受ける前に命を落としている。人間と似ている臓器を持つ豚の心臓や腎臓などの移植研究が進んでいた。
・ 小林特任教授は「今後は患者の容体を注視する必要がある。短期的には拒絶反応が起きないよう制御できるかが重要だ。長期的には、豚の臓器を移植することによって新たな感染症にかかるリスクがあるのか、そして何より患者の生活の質がどのくらい改善するのか確認しなければならない。人工心臓による治療などと比べる必要があるだろう。臓器移植を待つ患者の選択肢が増えることを期待したい」と話す。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

これまでも人工心臓は実際の医療現場で取り入れられていましたが、いろいろな課題がありました。(こちらを参照)
そうした中、今回ご紹介したように、米メリーランド大学は1月10日、人体が拒絶反応を起こさないよう遺伝子操作された豚の心臓を米国人男性に移植する手術を成功させたと発表したというのです。
この移植手術を人間に適用するのは世界初ということでアメリカに限らず、臓器の不足が深刻な問題となっている中、当然、世界的に豚の臓器の移植に期待が高まってきます。
なお、国内の移植希望者の待機年数についてはこちらを参照下さい。
心臓に限らず、他の臓器移植希望者が世界的に沢山いらっしゃると思いますが、小林特任教授のおっしゃるように、この移植手術は画期的な出来事だと言えます。
一方で小林特任教授は、長期的には豚の臓器移植による新たな感染症リスクがあり、患者の生活の質の改善効果の確認の必要性を指摘されております。
ですから、こうしたリスクや課題を解決し、心臓以外の臓器移植への適用を拡大していただきたいと思います。

それにしても豚の心臓が人間の心臓を代替出来るという事実にはとても驚きます。
豚の心臓を人体に移植し、数日間生存出来ているというのは本当に画期的なアイデアだと思います。
なお移植後の経過については気になるところですが、その後の関連ニュースは見当たりませんでした。

 
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