2021年12月08日
アイデアよもやま話 5133 医療費の拡大は雇用の拡大、およびDXでカバー!
先日、たまたま生活保護の医療費における自己負担がゼロであることを知りました。
そこで生活保護と医療費との関係についてもう少し知りたくなり、ネット検索した中から、ちょっと古いですが、2015年7月1日付け記事(こちらを参照)の一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・生活保護以外の医療費は収入によって自己負担がありますが、生活保護の医療費はいくら収入があっても自己負担は発生しません。
・もともと日本において、生活保護でなくても、医療費について、収入があっても病院にかかった場合、自己負担はなかったが、1980年代に、中曽根内閣において、初めて医療費の収入に応じた自己負担制度が導入されました。この時の負担割合は1割です。
・次に医療費の収入に応じた自己負担割合が引き上げられたのが、1990年代後半に小泉さんが厚生大臣の時に1割から2割に引き上げられました。
・2000年代前半に医療費の収入に応じた自己負担割合が引き上げられました。小泉さんが、首相の時に2割から3割に引き上げられました。
・このようになぜ、医療費の収入に応じた自己負担割合が引き上げられたのでしょうか。高齢者が増えて、医療費が増えてしまったからです。
・生活保護制度に関しては、自己負担は導入されておらず、無料のままなので何回も病院にいき、(これを頻回受診といいます)医療費の増大を招いているとの批判がでているのには注意しなくてはいけません。そのため、生活保護を受けていれば、医療費の収入に応じた自己負担は発生せず、無料のままだと安心していると足元をすくわれないともかぎりません。
・安倍首相(当時)は政府の借金を減らすため、その方法として社会保障費の伸び率を抑える、要は削減を掲げています。その中であきらかに生活保護制度が狙われています。その証拠に昨年、何十年ぶりに生活保護法が改正されました(改正かなという感じもありますが) 要は市役所の調査権限の拡大(良くよめば、たいしたものではありませんが)、不正受給の罰則強化です。この事は生活保護の医療費には関係ない事ですが、別に厚生労働省の通知という形で、いろいろ縛りを作っています。
・例えば、昨今、騒がせているのは、ジェネリックの導入です。生活保護を受給している方は、できるだけ病院へ受診して処方された場合、ジェネリックの医薬品を希望するように指導されています。なぜかといえば、ジェネリックの医薬品のほうが値段が安いので、医療費の削減につながるからです。生活保護費の約50%弱が医療費です。生活保護費を削減するには医療費の削減が重要視されるのは、当然といえるでしょう。また、病院へ頻会受診している生活保護者については、市役所の担当者にリストを出し、本当に必要なのか調査するような事も行っております。
・しかし、人工透析のようにどうしても週3回通院しないといけない方もいいます。そうすると月の通院回数は、12日は必要になります。これを頻会受診だからといって、通院回数が削減されたら生命の危険にかかわります。
・しかし、人工透析についてはあまり言われないようです。生命に関わるからでしょうか。それもあるかもしれませんが、別の要因もあります。人工透析は1人当たり、1年間で医療費が1千万円かかります。だから、最近人工透析クリニックが増えており、送迎ありなどとサービスもいいです。
・なぜ言われないかといいますと、人工透析の医療費は生活保護法でなく、自立支援法という法律から出ているので、どんなに人工透析で通院しても生活保護の医療費に影響がないからです。
・生活保護における医療費の収入に応じた自己負担には問題点があります。そもそもジェネリック医薬品に変えた結果、以前より体調が悪化したと訴えるケースは増えています。
・また、医療機関の決定については、被保護者の意に反してはならないという項目もあるので、市役所の人に言われてもなぜ、その病院に受診しなくてはいけないのか、しっかり主張する事が重要でしょう。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

この記事を通して、医療に関するいろいろな想いが浮かんできたので以下にまとめてみました。
(問題点)
・生活保護費の約50%弱が医療費で占められている
・少子高齢化の進行に伴い、医療費は当分増加傾向が続く
・新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国民へのワクチンや治療薬の無料摂取に膨大な費用がかかる
・コロナ禍の影響で失業者が増え、それに伴い生活保護者が増加すると、その分医療費の増加が見込まれる
・ジェネリック医薬品に変えた結果、以前より体調が悪化したと訴えるケースが増えている

(対応策)
・以下の対策により雇用拡大を図る
  成長分野の事業に取り組む企業への補助金などによる支援
  失業者や転職希望者への技術獲得支援
  高齢者や専業主婦でも働き易い労働環境の整備
・国による国民の健康管理全般のプロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)の観点からの見直し
  コロナ禍の対応策の不備なども参考して国民の医療関連業務全般におけるプロセスをDXの観点からの見直し、コスト削減を図る
・医療施設でのDXを進め、コスト削減を図る
  医療施設の運用プロセスのDXの観点からの見直し
  オンライン診療の拡大
リモート手術の導入
  AIやロボットの活用
・再生医療やウイルスなどにおける先進的な医療技術の研究開発支援に十分な国費を投入する
・生活保護者に限らず、過剰な治療や入院を抑制するチェック機能を整備する

いずれにしても日本の国民健康保険制度は全ての国民がアメリカなどに比べて相対的にかなり安価な治療費で病院で受診出来る制度は継続すべきです。
また生活保護者の医療費は原則として自己負担が発生しない状況も続けるべきだと思います。
ですから医療費も含めた生活保護費の拡大は雇用の拡大、およびDXによる生産性向上でカバーすべきなのです。
そうでないと、持続可能な福祉社会はいずれ破綻してしまうのです。

 
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