2021年08月18日
アイデアよもやま話 No.5037 注目すべき人工光生成!
2月6日(土)付けネット記事(こちらを参照)で人工光生成について取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て記事掲載時のものです。

・国家プロジェクトとして新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が展開している人工光合成の研究事業が2021年度、事業期間10年の最終年度に突入する。日本が得意とする材料技術を駆使して課題を乗り越え、目標到達が見えてきた。
・順調にいけば太陽光エネルギーを使って水と二酸化炭素(CO2)からプラスチック原料をつくる“究極のエコプラント”が実用化に近づく。
・人工光合成プロジェクトはNEDOが主導し、三菱ケミカルや国際石油開発帝石などが参画する技術研究組合が東京大学などと開発に取り組む。12年―21年度の研究費は総額145億円を見込む。
・植物の光合成は太陽光エネルギーを使って水とCO2から酸素と炭水化物(でんぷんなど)を合成する。NEDOなどが開発する人工光合成は太陽光で水から水素を生成し、CO2を合成させて化学原料となるオレフィンを作る。CO2は火力発電所や工場の排ガスから回収し、温暖化を抑制する。さらにCO2からプラスチックになるオレフィンを生み出すことで、化石資源の使用も抑える。
・他にも水中から湧き上がる気泡から水素を回収する分離膜、水素とCO2からエチレン、プロピレン、ブテンを選択的に作れるオレフィン合成法にもめどがついた。
・22年度以降の人工光合成プロジェクトの計画は確定していないが、NEDOでは30年ごろには大規模な実証機が稼働し、40年ごろの商用化を想定している。開発に着手した12年当時と状況が変わり、政府全体で脱炭素技術開発の機運が高まっている。人工光合成プロジェクトも実用化への期待が膨らむ。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

記事の内容を以下にまとめてみました。

植物の光合成:太陽光エネルギー+水+CO2⇒酸素+炭水化物

人工光合成 :太陽光エネルギー+水+光触媒(*1)⇒水素
       水素+CO2(*2)⇒オレフィン(*3)

*1 光を照射することにより触媒作用を示す物質の総称
触媒とは、特定の化学反応の反応速度を速める物質の総称

*2 火力発電所や工場の排ガスからCO2を回収

*3 エチレン・プロピレン・プタジエンなどの高分子化合物を総称する「不飽和炭化水素」のことで、炭素と水素の化合物

こうしてまとめてみると、あらためて太陽光エネルギーが人類のみならずあらゆる生物の生存にとって欠かせない存在であることが分かります。
そして、太陽光エネルギーとCO2の存在により植物の成長や農作物の収穫が可能になっているのです。
今、世界中から地球温暖化の元凶と思われ、悪者扱いされているCO2も植物の光合成には欠かせない存在なのです。
そして、人類はこの太陽光エネルギーを活用して、今や太陽光発電により電力を手に入れております。
更に今回ご紹介したように、人工光合成の研究が進めば、やがて太陽光エネルギー、水、そして光触媒から水素が、更にその水素とCO2からオレフィンの製造が実用化される可能性を秘めているのです。
ですから、未来の社会においてはCO2は大事な資源と位置付けられているかもしれないのです。

ということで、是非、人工光合成の研究にもっとヒト・モノ・カネを投入し、研究・開発のスピードを加速化して欲しいと思います。

 
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