2021年06月28日
アイデアよもやま話 No.4993 今年は民間の宇宙利用元年!
3月22日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で今年は民間の宇宙利用元年と報じていたのでご紹介します。
なお日付は全て番組放送時のものです。

日本時間の今日、打ち上げられたロシアのロケット、「ソユーズ」には日本で初めてとなる量産型の人工衛星と世界初となる宇宙ゴミを取り除く実験衛星が搭載されています。
いずれもベンチャー企業が開発した商業目的の人工衛星です。
日本の民間宇宙ビジネスのカギを握る今回の打ち上げは成功したのでしょうか。

3月17日、テレビ東京の取材班が向かったのは、中央アジア、カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地、全長45mのロケットが横になった状態で移動していきます。
その先端部分に搭載されているのが日本の宇宙ベンチャー2社の人工衛星、1社が東大発のベンチャー、アクセルスペースの量産型の人工衛星、4基です。
既に打ち上げ済みの1基と合わせて5基で地球を撮影、これまで2週間に1回だった撮影頻度が2日に1回に上がります。
アクセルスペースの中村友哉CEOは次のようにおっしゃっています。
「全然違いますよね。」
「ようやく本格的な利用実証みたいなところが出来るようになってくるかな。」

農作物の成長の把握や災害状況の定点観測といった様々なビジネスへ展開が可能になるといいます。

もう1社はアストロスケール・ホールディングス、運用の終わった人工衛星など、宇宙空間に漂う宇宙ゴミを取り除く人工衛星を開発、今回、実際に宇宙空間でのキャッチや除去といった技術的な実証実験を行います。
そして迎えた3月20日、ロケット先端内部にはアクセルスペースの複数の金色の衛星とアストロスケールの銀色の衛星が隣り合わせに搭載されました。
この日、国内で打ち上げを見守るイベントを開いたアクセルスペース、ところが打ち上げの約30分前に打ち上げ延期が決定、衛星の搭載部分に課題が見つかったといいます。
翌日、更に1日の再延期が決定、そして迎えた3月22日、アクセルスペースもアストロスケールもあらためてオンラインで見学イベントを開いていました。
午後3時過ぎ、今度は無事に打ち上げられました。

両社にとってビジネス加速への第一歩となる打ち上げが成功、宇宙ゴミの除去実験を始めるアストロスケールの岡田光信CEOは次のようにおっしゃっています。
「私たちは今、6ヵ月くらいでいろいろな実証を全て終わらせようと思っています。」
「事業を軌道に乗せるという意味では、2023年、24年には乗っていると思いますね。」

また4基を打ち上げたアクセルスペースの中村CEOは次のようにおっしゃっています。
「3ヵ月後のサービスインを目指しております。」
「どこまで成果を出していけるかということがまさに問われているんだろうなと。」
「民間宇宙利用元年と言ってもいいんじゃないかと思っていますね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以前にもお伝えしたように、宇宙はかつてのアメリカ大陸や太平洋などと同様に人類の活動におけるニューフロンティアなのです。
そして現実にこれまでご紹介してきただけでも以下のような宇宙関連のビジネスがまさに誕生しようとしているのです。
・農作物の成長の把握
・災害状況の定点観測
・宇宙ゴミの除去
・人工流れ星
・無重力状態の体験
・宇宙観光
・宇宙滞在型旅行
・火星への移住

中でも小型人工衛星を活用したビジネスは比較的開発資金が少なく、ベンチャー企業にとって取り組み易いと言えます。
ですから、これからも宇宙を相手にしたビジネスがベンチャー企業によって次々に誕生してくると期待出来ます。

 
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