2021年04月28日
アイデアよもやま話 No.4941 東北大が大容量化が可能なカルシウムイオン電池電解質を開発!

4月7日(水)付けネット記事(こちらを参照)で東北大学による大容量化が可能なカルシウムイオン電池電解質の開発について取り上げていたのでその一部をご紹介します。

 

・現在の二次電池はリチウムイオンが主流だが、電池容量がすでに理論的な限界に近づいており、リチウムやコバルトなどの希少金属を用いているため、資源確保やコストなどの観点から課題が指摘されている。

・一方で、カルシウムは地殻中に5番目に多く存在する豊富な元素で、その金属電極は低い酸化還元電位を併せ持つため、資源性と電池容量の観点から、次世代蓄電デバイスに用いる元素として有望視され、カルシウムイオン電池が期待されている。

・カルシウムイオン電池の実用化におけるボトルネックは電解質だが、 今回の研究では、水素クラスターを用いたカルシウム電解質を新たに合成。固体電解質と液体電解液のそれぞれの可能性を検討したところ、優れた電気化学特性を示した。

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

前回、10分の急速充電を可能としたEV用バッテリーについてご紹介しましたが、EV用バッテリーは現在リチウムイオンバッテリーが主流でその原材料には希少金属が含まれ、その多くは中国原産といいます。

ですから、中国との関係如何で輸入が制限されるリスクがあります。

そうした中、今回ご紹介したバッテリーは、希少金属の代替として豊富な元素、カルシウムを使用しているのでこうしたリスクを回避出来るし、原料コストも大幅に安くなると期待出来ます。

 

ということで、多少バッテリーとしての性能は低くなっても、原料を国内で自給出来るという要件はいざという時のリスク回避策としてとても重要だと思います。

しかも、この研究では固体電解質としても優れた電気化学特性を示したといいますから、全個体電池としての可能性も秘められています。

ですから、EVの普及を加速させるために是非実用化に向けてスピーディに研究を進めていただきたいと思います。


 
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