2021年03月31日
アイデアよもやま話 No.4917 トヨタ自動車がウーブン・シティの建設に着手!

2月22日(月)付けネット記事(こちらを参照)でトヨタ自動車によるウーブン・シティの建設着手について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

 

・トヨタ自動車のスマートシティー「Woven City(ウーブン・シティ)」の建設が2021223日に始まる。自動車メーカーである同社が街づくりを自ら手掛ける狙いは、新たな価値やビジネスモデルの創出だ。

・実際の開発を担うのは、傘下のウーブン・アルファである。トヨタ自動車は211月、先進技術や新規事業の開発を手掛ける子会社のウーブン・プラネット・ホールディングスを設立。同社は持ち株会社の形態を取っており、ウーブン・アルファはその事業子会社の1つである。

・ウーブン・シティの場所は、20年末に閉鎖したトヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用する。将来的に約70.8m2の範囲で街づくりを進める。

・都市設計は、デンマーク出身の建築家であるBjarke Ingels(ビャルケ・インゲルス)氏が担当する。

・ウーブン・シティでは、150×150mの土地を1区画(原単位)として、各区画でさまざまな実証実験を進める。

・地上には、以下の3種類の道を設ける。

1)自動運転車やゼロエミッション車などが高速で走行する自動車専用道

2)低速で走行するパーソナルモビリティーと歩行者が混在する道

3)歩行者専用の道

・ 地下にも物流用の自動運転車走行道を設置する計画である。

・加えて、以下のような取り組みも計画している。

•建物をカーボンニュートラル(炭素中立)な素材でつくる

•建物の屋根に太陽光発電パネルを設置する

•燃料電池などのインフラを全て地下に設置する

•室内用ロボットの新技術を検証する

•センサーデータやAI(人工知能)を活用して健康状態のチェックなど生活の質を高める

e-Paletteを人や物の輸送、移動店舗などに活用する

•街の中心に公園や広場をつくり、住民同士がつながり合うコミュニティーを形成する

 CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)をはじめ、自動車業界を取り巻く環境は大きく変化している。こうした変化に備え、新しい技術やサービスを導入・検証する場としてウーブン・シティを活用していくという。

・プロジェクトの狙いについてトヨタ自動車は、「人々の暮らしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながっていく時代を見据え、この街で技術やサービスの開発と実証のサイクルを素早く回すことで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けること」と説明する。

・ ウーブン・シティについて、章男氏は「どこまでいっても未完成」と語る。「究極の目的は、安全なモビリティーをつくることと、人を中心にした街でモビリティーの未来をつくることだ。自動車会社だけでやるのではなく、多くのパートナーを募集し、共につくっていきたい」(章男氏)

Woven City(ウーブン・シティ)という名称の由来について、wovenweaveの過去分詞形で、「織られた」の意味。トヨタ自動車によれば、網の目のように道が織り込まれ合う街の姿から名付けたという。グループの祖業である自動織機が由来ともいわれる。

・どんな人が住むのかについて、まず、技術やサービスの「発明家」、およびその利用者である高齢者や子育て世代を入居させる。CES 2020では住民数を2000人程度と発表していたが、初期は360人程度となる予定である。

・トヨタ自動車は、ウーブン・シティのパートナーをWebサイト上で募集している。2011月時点で約3000の個人・法人から応募があったという。

・トヨタ自動車は、ウーブン・シティで検証する技術として以下を挙げている。

•自動運転

Mobility as a ServiceMaaS

•パーソナルモビリティー

•ロボット

•スマートホーム

AI

・ウーブン・プラネット・ホールディングスは、「Arene(アリーン)」と呼ぶソフトウエア開発環境の活用も見据えている。Areneによって自動運転ソフトなどの開発を効率化できる他、パートナー企業との協業もしやすくなるという。

・「Woven City(ウーブン・シティ)」の建設で注目すべきは、ソフトを中心にものづくりを変革する「ソフトウエアファースト」の考え方だ。

・どんな人や企業が参加するのかについて、パートナー企業として、まずNTTが挙げられる。同社とトヨタ自動車は20324日に業務資本提携を締結しており、目的の1つに「スマートシティーの実現」を掲げていた。両社は「スマートシティプラットフォーム」を構築し、ウーブン・シティや東京都港区品川エリア(品川駅前のNTT街区の一部)に先行的に実装する計画だ。

・スマートシティー事業を巡っては、米グーグル(Google)系をはじめとするIT企業が先行。

・この他、トヨタ自動車はパナソニックと折半出資で201月に、街づくり事業を手掛ける合弁会社のプライム ライフ テクノロジーズ(東京・港)を設立している(その後、三井物産も少額出資)。この提携自体はウーブン・シティよりも前に発表されたものだが、パナソニックがウーブン・シティに参加する可能性もありそうだ。

・米グーグル(Google)の軍門に下るわけにはいかない――。そんな思いがにじむ決断である。

・ウーブン・プラネット・ホールディングス傘下の投資会社であるウーブン・キャピタルは、スマートシティーや自動運転技術などでパートナーとなり得るスタートアップに投資することを目的にしている。運用額は8億米ドル(約846億円)である。

・トヨタ自動車や、そのパートナーのNTTは、スマートシティーで得られるデータの扱いについて慎重である。「誰のためのデータなのか」(章男氏)、「データは囲い込まない」(NTT代表取締役社長の澤田純氏)と語っており、大量に集めた個人情報を利益に変える米Google(グーグル)との違いを明確にする。

・実際、グーグルがカナダで進めていたスマートシティー開発計画はプライバシーの懸念を払拭できず、市民の反対を受けて頓挫した。GAFAGoogleAppleFacebookAmazon.com)のデータ独占に対する規制の動きが世界各国で活発化する中、トヨタ自動車やNTTの方針は有利に働く可能性がある。

・米グーグルの野望が1つ潰えた。スマートシティー開発を手掛ける兄弟会社のサイドウォークラボはカナダ時間202057日、カナダの都市開発から撤退すると発表した。

・トヨタ自動車やNTTがデータの「民主化」に向けて有望視している技術は、ブロックチェーンである。両社が開発しているスマートシティプラットフォームにおいても、同技術は重要な要素と位置付けられている。

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

前々回、前回のブログでも触れてきたように、EVの普及に向けては以下のように様々な課題があります。

・ガソリン車と同等か、それ以下の販売価格

・EVのライフサイクルを通した経済的なメリットの追及、およびディメリット対応策

・日常生活に十分なフル充電での航続可能距離

・充電インフラの整備

・再生可能なエネルギー(太陽光や風力など)での発電による電力供給

 

更にあらゆる面で人類の活動におけるCO2排出量のネットゼロを実現するためには“持続可能な社会“の実現を達成させなければなりません。

 

こうして見てくると、トヨタ自動車の豊田章夫社長も以前指摘されていたように、”脱ガソリン車”の実現には、EVメーカーだけでなく、バッテリーや再生可能なエネルギー発電、あるいはスマートグリッドといった関連メーカーなど、政府の強いリーダーシップのもとに、国が一丸となって“持続可能な社会”の実現に向けて取り組むことが求められるのです。

そこで、前々回ご紹介した、小池都知事による2030年までに“脱ガソリン車”を達成する目標設定や日産自動車と三菱自動車による共同の軽自動車EV、全固体電池の開発、あるいはトヨタ自動車などによる燃料電池車の開発やウーブン・シティの建設に向けた取り組みはとても貴重だと思います。

こうしたいくつかの挑戦が組み合わさって“持続可能な社会”の実現に一歩一歩近づいていくことが出来るのです。

そして、こうした一連の動きを効果的に進めるには総合プロデューサー的な重要な役割が国に求められるのです。


 
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