まだまだコロナ禍の収束の見通しが見えない状況です。
また、コロナ禍への国としての対応は世界的にみてどの程度なのか気になるところです。
そうした中、昨年11月27日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でコロナ耐性(レジリエンス)世界ランキングについて取り上げていたのでご紹介します。
コロナ耐性ランキング(53ヵ国・地域を対象 昨年11月が初回で以降毎月更新)をブルームバーグがまとめました。
以下はその一部です。
1位 ニュージーランド
2位 日本
3位 台湾
4位 韓国
5位 フィンランド
6位 ノルウェー
7位 オーストラリア
8位 中国
9位 デンマーク
10位 ベトナム
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18位 アメリカ
解説キャスターで日本経済新聞 編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「これはどういう物差しかというと、感染者数、検査能力、ワクチンの確保状況、一方で行動制約すると経済が収縮しますよね。」
「それらを総合的に見た物差しと言っていいと思います。」
「(このランキングを見ると、これまでのところ、日本の対策はうまくいっているという評価ではという指摘に対して、)はい、足元は第3波ですから、まさに真価を問われているのが現状ということになると思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
さて、番組の放送から既に3ヵ月半ほど経過しているので、その後のランキングが知りたくなり、ネット検索してみました。
そうしたら最新のランキング(2021年2月度)がありました。(こちらを参照)
その補足説明の一部をご紹介します。
・パンデミックの勢いは世界全体で鈍化し、感染増加ペースは昨年10月以来の低水準となった。しかし西側主要国の経済は発展途上国に比べ速いペースで改善し、豊かな国と貧しい国のランキングの差が拡大している。ワクチン供給が豊かな国に偏っていることを踏まえると、この差は今年を通じて続く公算が大きい。
・島国という環境と4件のワクチン供給契約を持ち国内感染をほぼ根絶したニュージーランドは4カ月連続首位である。
・昨年11月の初回ランキングから10位以内を維持するニュージーランド、台湾、オーストラリアなどでは引き続き、新型コロナの早期の実質的根絶または封じ込めがより高い生活の質につながっている。
・フランスやベルギー、イタリアなど豊かでありながら下位10カ国に入っていた国々は、昨年11月以降徐々に順位を上げ、代わって南アフリカ共和国やインドネシアが低位になった。ランキングの下位3分の1は現在、中南米とアフリカの発展途上国が占めている。
・富裕国がワクチンの多くを確保していることから、貧困国の番付が今後数カ月に改善することは難しそうだ。メキシコは最下位の53位にとどまっている。WHOのテドロス事務局長はこうした状況を「破滅的な道徳的失敗」と呼んだ。
・ワクチン接種で世界をリードするイスラエルは、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を用いたワクチンが死者数を減らすばかりでなく感染ペースを遅らせる効果があることを証明しつつある。ただ、同国の速いワクチン接種のペースも感染力の強い英国の変異ウイルスの拡大を抑えるには至らず、今月は14位と順位を1つ上げるのにとどまった。ウイルスの変異が引き続き脅威であることを浮き彫りにしている。
・米国は死者数が50万人という不幸な節目を超えたものの、感染拡大の転換点にある可能性がある。新規感染は1カ月前に比べ半分程度に減り、死者数も減少傾向にある。米国の一部で政治の道具となっていたマスク着用だが、ワシントン大学医学部の保健指標評価研究所(IHME)によれば今では全米での着用率が77%と過去最高に達している。
・エコノミストは2021年の米国の国内総生産(GDP)成長率予想を中央値で4.9%と先月の4.1%から上方修正した。来月成立する見通しの1兆9000億ドル(約201兆円)規模の追加経済対策によって支出と雇用がV字回復を示すと見込まれている。
以上、コロナ耐性ランキング(2月度)についてご紹介しました。
このように客観的な尺度による世界的なコロナ耐性ランキングが公開されるのは、各国で自国のコロナ禍対応が世界的にどの程度のレベルなのかを把握出来るので今後の対応策を検討するうえでとても参考になります。
肝心の日本のランキングですが、初回(2020年11月度)は2位でしたが、2月度は9位に落ちています。
今後とも上位ランキングの国々がどのような対応をしているのかを参考にして対策に取り込み、ランニング1位の獲得、および継続を目指して有効な対策を取り続けていただきたいと思います。
その際、特にワクチンの接種率を増やすことがランキング上昇のキーポイントになると思われます。
なぜならば、ワクチンの接種により感染者数が減少し、経済活動の活性化にもつながる可能性が高まるからです。
ということで、今こそ菅政権の実力が問われているのです。
日本政府は国民に感染拡大阻止の協力を仰ぐと同時に、総理、あるいは外務大臣は国外のワクチンメーカーに働きかけて、早急に東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けてワクチンの必要量を確保すべきなのです。
それによって、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の訪日客(インバウンド)を迎い入れる可能性も出てくるのです。