7月20日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で手でとろけるプラスチックについて取り上げていたのでご紹介します。
手で温めると柔らかくなり、自由にかたちを変えられるプラスチック、手で引っ張ったりねじったり出来るのですが、手を放すとすぐに硬くなります。
いったいどういう仕組みなのでしょうか?
このプラスチックを開発した三井化学株式会社の西川茂雄さんは次のようにおっしゃっています。
「このプラスチック資材の軟らかくなるポイントは28℃にあるからなんです。」
「今、部屋の温度が23℃だとして、人間の体温は36℃なんで、ちょうどこの室温と体温の間で軟らかくなるポイントを迎えると。」
この素材、体温で温められ、28℃以上になると軟らかくなるのですが、手を放して冷めると縮みながら硬くなる特殊な構造でできています。
詳しいことは企業秘密ですが、室温が28℃でも軟らかくなってしまうそうです。
縮む性質を生かして、このプラスチックで作った小さな輪っかを手で伸ばして腕を通すとちょうどいいくらいに縮みます。
ベルトに使えば、満腹、空腹に合わせて伸び縮みするなど、一人ひとりの体形に適した商品の開発が可能になります。
西川さんは次のようにおっしゃっています。
「この材料は人の体にフィットするというところで、モノと人の不一致感を解消出来るような素材に育っていければなと・・・」
なお、この商品名は「ヒュ−モフィット」で1年以内の製品化を目指し、開発中といいます。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
そもそも温度によって伸び縮みするプラスチックというのが常識破りのアイデアです。
また、このアイデアを使ったベルトも果たして従来のベルトと同じようなフィット感で、しかも従来以上にお腹の凹み具合によってうまく調整されるのか、気になるところです。
しかし、今回ご紹介した「ヒュ−モフィット」が具体的にどのようなかたちで商品化されるのか、とても興味が沸いてきます。
一方、課題もありそうです。
たとえば、夏場は体温に関係なく一日中28℃以上の場合もあるので、エアコンの温度の設定次第ではプラスチックは軟らかい状態のままになってしまいます。
こうした課題をどう解決するのか、気になるところです。