2020年09月11日
アイデアよもやま話 No.4745 ”7割経済”に必要な3つの視点とは・・・

5月28(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“7割経済”に必要な3つの視点について取り上げていたのでご紹介します。

 

緊急事態宣言が解除されても全力で企業活動を進めるわけにはいかないということで”7割経済”という言葉も出てきています。

こうした状況について、金融・経済・ビジネスなどの戦略分析を専門に研究している立教大学ビジネススクール教授の田中道昭さんは次のようにおっしゃっています。

”7割経済”だと厳しいですよね。

”7割経済”というのは、需要、供給、稼働率、売り上げが7割ということを示唆している言葉だと思うんですけども、これは恐らく2つの意味がありましてね。

「1つは当面の間どうしても短期的に迫られるという意味と、中長期的にもこれを機会に強靭な企業経営体質に切り替えていくという2つの意味があるのかなと思っています。」

「(強靭な企業経営体質に切り替えていくうえで必要なのは何かという問いに対して、)ちょっと簡単にまとめさせていただいたんですけども、”7割経済”のための企業経営ということで、事業構造、収益構造、財務構造を三位一体でまとめるところだと思うんです。

「事業構造というとこでは単一ではなく多重的、多層的な事業構造に変革していく。」

「収益構造というとこでは損益分岐点のハードルを下げる。」

「財務構造というとこでは自己資本拡充の財務構造への変革を求めていくということで、リストラというよりはトランスフォーメーションですよね。」

「ですから、具体的にいうとスタートアップ企業のような企業DNAが非常にスピーディなものに刷新していくと、そういったトランスフォーメーションが大企業にもこれから求められていくんじゃないかと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

新型コロナウイルスの影響は今後いつまで続くか今のところ誰にも分かりません。

しかも、夜の飲食業界や鉄道業界、航空業界など業界によっては壊滅的な打撃を受けているところもあります。

ですから、このまま有効な打開策を見つけることが出来なければ規模の大小に係わらず事業資金が底をつき、倒産を免れなくなってしまいます。

そこで打開策を検討するにあたって参考になるのが今回ご紹介した、田中教授による3つの視点、すなわち事業構造、収益構造、財務構造の三位一体での事業の見直しです。

中でも事業構造の見直しは最重要課題と言えます。

その大前提は「3密」の回避です。

この大前提に基づく新たな需要の掘り起こしにつながる商品やサービスをどれだけ沢山生み出せるかが企業の存続の決定要因なのです。

 

ということで、コロナ禍というこれまで経験したことのないリーマンショック以上の苦境を突破しなければならない多くの企業にとって、まさに今こそ経営の真価が問われているのです。


 
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