以前、プロジェクト管理と日常生活 No.590 『当初ずさんだったPayPayのセキュリティ対策』で、発信元の特定が難しい闇サイト、ダークウェブについて触れました。
そうした中、昨年12月25日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「巨大データ社会 あなたのデータのゆくえ」をテーマに取り上げていました。
そこで、今回はスマホにおける私たちの位置情報の危うさに焦点を当ててご紹介します。
前回は個人データの闇での売買についてお伝えしましたが、データが盗られているのは闇の世界だけではありません。
私たちの個人データを取り巻く環境はどうなっているのか、データ経済に詳しい立教大学ビジネススクールの田中
道昭教授は取材する相内キャスターのiPhoneの中に蓄えられている情報をチェックしました。
すると、iPhoneの設定画面から「プライバシー」の項目をクリック、その中にある「位置情報サービス」をクリックし、更にオンになって「利用頻度の高い場所」をクリックすると、相内キャスターの自宅、そして最近行った場所が全て表示されました。
そして、その一つをクリックすると、相内キャスターがいつどこを訪れたのか詳しく表示されました。
位置情報を把握されれば、その人の行動パターンだけでなく、趣味・嗜好や性別、家族構成まで分析され、知らないところでマーケティングの対象として利用されることがあるといいます。
iPhoneを手掛けるアップルは位置情報について「正確な所在データを収集、使用および共有することがあります」としています。
このことについて、田中教授は次のようにおっしゃっています。
「いろいろなデータを集めている会社であれば、そこに(位置)データを提供したら、かなり高いがい然性(見込み)で相内さんのデータだと特定可能な時代になっていると。」
「自分の位置情報がどういったアプリに提供しているのかは納得して使われるし、そういったところまで許容したつもりはないアプリは削除するとか、そういった一つひとつの細かいアクションは一人ひとりでも取るべき・・・」
私たちの個人データがどのように使われているのか、これまで以上に気にかけていく必要がありそうです。
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
私も知らない場所に行く時に、スマホのナビアプリはとても重宝しています。
また、スマホのユーザーは設定次第で必要に応じて自分の過去の行動履歴を確認することが出来るのです。
更に、親が自分の子どもにスマホを持たせて、そのスマホの位置情報における参照権限を自分に付与することで、子どもの現在の位置情報や過去の行動履歴を把握することにより、子どもの安全管理が容易に出来るようになります。
しかし、こうした情報、あるいはナビアプリを使用していない場合でもスマホのユーザ―一人ひとりの位置情報は全てスマホのプロバイダー、あるいはナビアプリのサプライヤーに把握されているのです。
ですから、田中教授の指摘されているように、スマホの初期設定や位置情報関連のアプリをスマホにインストールする際にどの範囲まで自分の位置情報が業者などの第三者によって使用されるかをきちんと確認することが大切になります。
また、悪意のある人が他人のスマホでも設定次第でその人の位置情報を把握出来てしまうので、特にあまり技術的な知識のないスマホのユーザーは要注意です。
ということで、今やスマホは多くの人たちにとって、無くてはならない必需品となっていますが、一方で以前にはないような犯罪のきっかけを与える存在でもあるということをユーザーの一人ひとりは自覚することがとても大切だと思います。