昨年12月9日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「投球フォームの解析システム」について取り上げていたのでご紹介します。
アシックス スポーツ工学研究所で開発中のウエアは、着るとボールを投げる時の胸の開きや手首のひねりなどを細かく測定出来ます。
ウエアに張り巡らされた銀色の線の中に、身体の動きを検知するセンサーが縫い込まれています。
番組レポーターは、このウエアを着て、野球ボールの投球に挑みました。
この投球によって得られるデータはモニターに映し出されます。
なお、このモニターには、センサー、変化率、Average(平均)という3つの項目が表示されています。
センサー:「体幹捻転」や「胸の張り」など、センサーの位置する箇所
変化率 :身体の動きの測定結果
平均 :時速100〜140kmで投げられる、高校生以上の現役野球プレイヤー約50人の平均値
変化率がこの平均の範囲内に収まれば、ケガをしにくく、良い球を投げられるフォームだというのです。
良い球を投げるためには、腰のひねりがポイントといいます。
番組レポーターの投球後の「体幹捻転」のデータは、計測出来ないほどの(ひどい)結果に終わりました。
しかし、指導を受けての再挑戦では、先ほどはなかった「体をねじる動き」がしっかり出ていました。
こちらの研究所所属の草野 拳さんは、モニターを示しながら次のようにおっしゃっています。
「今こちらに示しているのが運動の大きさ、そして下が運動のタイミング、赤字で示しているのがあまりよくない特徴となっています。」
アシックス ベースボール ラボでは、こうした解析シャツをレンタルするなどして、野球部の中高生をサポートする「投球動作解析サービス」を2020年より開始予定といいます。
ちなみに、価格は未定です。
草野さんは次のようにおっしゃっています。
「出来るだけ効率のいい練習をするためには、こういったものも一つの手段としていいんじゃないかなと思っています。」
これまでもフォームを解析するシステムはあったのですが、周りに沢山カメラを設置したり、身体に直接センサーを張り付けたりして、中々通常の投球がしにくい環境だったということです。
ですので、より手軽になったのです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介した「投球フォームの解析システム」は、まさに「投球フォーム」の“見える化”と言えます。
この解析システムは、熟練者の身体の動きと初心者などの身体の動きとを数値化し、それぞれの身体の動きの差を明らかにし、その差を縮めることによって、効率的、かつ効果的にトレーニングする方法なのです。
なお、この解析システムは、他のスポーツやダンス、あるいはリハビリなど様々な分野に応用出来そうです。
また、この解析システムは使い勝手も良さそうなので、更なる改善によって分野ごとに誰でも個人でのトレーニングを出来るようにする可能性を秘めています。
ということで、私は個人的にはこの解析システムの将来的な成長に大いに期待しています。