8月4日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で水力を利用した超小型衛星用エンジンについて取り上げていたのでご紹介します。
東京大学 柏キャンパスで宇宙開発を大きく発展させる技術を研究している特任助教の浅川 純さん(28歳)が開発したのは水力を推進剤とする超小型衛星用エンジンです。
内部で水を蒸発させて、水蒸気を5つの穴から噴射させることで推力を得るのです。
浅川さんは次のようにおっしゃっています。
「従来のエンジンの推進剤だと安全基準が厳しくて、それを満たすことが難しいので国際宇宙ステーションへの持ち込みが難しいところがありました。」
これまでのエンジンは高圧ガスや有毒な燃料を使っているため、人がいる環境では搭載出来ませんでした。
そこで、安全な水を推進剤にすることにより国際宇宙ステーションからの放出を可能にしたのです。
このエンジンを使って、地球に落下しないよう、衛星の軌道を修正することで、より長期間利用出来ると期待されています。
なお、ご自身の研究の原動力について、浅川さんは次のようにおっしゃっています。
「宇宙のいろんなところを探査して、地球外生命体を見つけるところが私の研究の原動力になります。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介した水力を利用した超小型衛星用エンジンは、内部で水を蒸発させて、水蒸気を5つの穴から噴射させることで推力を得るといいますが、水を蒸発させるにはそのための電力が必要です。
この電力は超小型衛星に搭載したバッテリーから得ていると思われます。
しかし、国際宇宙ステーションのようなある程度大きい施設であれば、設置した太陽光パネルで発電した電力をバッテリーに蓄えて、その一部の電力を使用すれば、それを推力として移動することが出来ます。
ということで、今回ご紹介した水力を利用した超小型衛星用エンジンは人にも優しいので、将来的に宇宙空間での移動手段としての活用が期待出来そうです。