7月12日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で政府とユーチューバーとのコラボについて取り上げていたのでご紹介します。
人気ユーチューバーを多く抱えるマネジメント会社、創業2013年6月のUUUM(ウーム)株式会社が7月12日に決算を発表しました。
純利益が1年前の2倍になるなど大幅な増収増益となっていますが、その要因の一つが企業などとのタイアップです。
そして今、企業のみならず政府もユーチューバーとコラボする動きが出て来ています。
ユーチューバーを多く抱えるUUUMにやって来たのは外務省・広報文化外交戦略課の前田 雄大課長補佐で、次のようにおっしゃっています。
「外務省の広報で、動画を作っているものの、中々再生回数が伸びない。」
「既にある影響力をお借りするのって効果的なんじゃないか。」
外務省は今回初めて広報活動の一環として、ウームに所属するユーチューバーに動画の作成を依頼、G20の開催に合わせて気候変動というテーマで3組のユーチューバーに動画を作ってもらいました。
公開から1週間で再生回数が100万回を突破したものもありました。
前田さんは次のようにおっしゃっています。
「この影響力って凄いなと思ったんですよね。」
「当然批判の声もいただいているところもあるんですけど、それよりも圧倒的に良かったという声がある・・・」
実は今、UUUMには行政や企業からのタイアップの依頼が増えています。
ちなみに、タイアップ広告の売上高(2019年5月期)は前年比33%の伸びです。
そこでUUUMが力を入れているのが人材育成です。
動画を投稿し始めてから1年ほどになる佐藤 あやみさんは、自身の動画が出来るだけ視聴者の目に留まるように、月に一度UUUMからアドバイスを受けています。
こうしたアドバイスを重ねることで、動画の再生回数を増やし、企業からのタイアップの指名も増やしていきたいといいます。
UUUMの渡辺 崇CFOは次のようにおっしゃっています。
「個人レベルでユーザーも獲得してビジネスをすることが世の中のトレンドとして増々広がって来るだろうなと思っていて、我々はそういったクリエーターさんをサポートする立場としてインフラになっていきたいなというのが究極的な目標ですので、・・・」
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
今や小学生くらいの子どもから高齢者の世代まで多くの国民がスマホを持ち歩く時代になっています。
そして、情報の入手源の多くはユーチューブやフェイスブックなどのSNSであったりネット上の掲載記事と言われています。
一方、今や若い世代を中心に新聞を購読する世帯数はとても少なくなっているように思います。
なぜならば、ネット上では多くの報道機関が記事の一部を無料で公開しているからです。
更に、大きな発信力のあるユーチューバーなどの掲載情報は、これまでの報道機関にはない、一般人の立場からの発信なので、とても身近に感じられ、しかもこうした情報はいつでもどこでも気軽に見ることが出来ます。
更に、こうした情報は友人や知人などの間で簡単にやり取り出来るのでどんどん拡散していきます。
また、人気ユーチューバーの中には既に年収が1億円を超える人たちもいるといいます。
こうした状況を踏まえると、広告手段の観点から見ても、従来の広告を補完する機能を持つSNSは侮れません。
こうした中、人気ユーチューバーを多く抱えるマネジメント会社、UUUMのような企業の登場は必然と思えます。
ということで、いずれ喜劇界に大きな影響力を持つ吉本興業のような企業がSNS界にも登場してくるのではないかと思えてきました。
UUUMもそうした候補の1つと言えます。
今回ご紹介した、政府とユーチューバーとのコラボは、こうした流れを象徴しているのではないでしょうか。