No.4404 ちょっと一休み その681 『野依博士による日本の教育への危機感』では、2001年にノーベル化学賞を受賞された野依
良治博士による日本の教育への危機感についてお伝えしました。
しかし、こうした危機感は国政や国際政治における、真実を伝える報道、および国民の一人として自分はどう考え、対処するかという観点でもとても重要です。
今やブログなどを通して誰でも感じたこと、あるいは見聞きしたことなど、自由に自分の伝えたいことを世界に向けて発信出来ます。
そうした膨大な情報は、真実と偽り、あるいは誹謗中傷など玉石混交状態です。
そうした中から、いかに真実を見極め、偽情報に振り回されないようにするかがとても重要です。
最近のアメリカのトランプ大統領や韓国の文大統領の一連の発言に接すると、この重要性を特に感じます。
アメリカや韓国の国民に限らず、世界各国のより多くの国民が、こうした発言に感情的に反応せず、個々の発言は何に基づいているのか、そしてそれは真実なのか、あるいはその真意は何なのか、といったことを正確に把握すれば、こうした指導者の発言に振り回されることはなく冷静に判断出来、従って適切に対応出来るのです。
真実を把握することなく、指導者の発言を鵜呑みにしていたずらに感情的に反応してしまう国民が増えてしまう状況は、国内、あるいは国際社会をとても不安定にしてしまいます。
なぜならば、トランプ大統領や文大統領のみならず世界中の指導者の多くが最も注意を払っているのは自国民の声だからです。
では私たちはどのように客観的な事実を把握出来るのでしょうか。
その多くはマスコミを通した記者、あるいはジャーナリストや専門家などにより発信される記事です。
ところが、テレビやラジオ、あるいは新聞や週刊誌などのマスコミは時としてより多くの視聴者や読者の関心を得るため、事実を大げさに、あるいは歪曲して伝える傾向があります。
ですから、私たち一人ひとりは特に重要な事件などについては複数の番組や記事など複合的な情報を入手する必要があります。
そして、こうした国民一人ひとりの総意が国民の声として国の指導者に伝わるのです。
結果として、その時々の政治のレベルは国民の意識のレベルを反映したものになるのです。
ですから、中には「あの政治家は・・・」と不満を言う人たちがいますが、そういう政治家を選んだ国民の方にも反省が必要なのです。
最近の韓国の文大統領の事実を無視した韓国国民の扇動、そして事実を隠蔽して国民に真実を伝えない方針、あるいは一部の韓国国民による文大統領の発言を鵜呑みにしての過激な行動に関する報道に接すると、かつての日本の太平洋戦争時の日本の状況が連想され、とても危うさを感じます。
こうした動きは、理性よりも感情を優先させた、国内のみならず国際社会を危うくするものです。
文大統領の政治姿勢の本質は、国民の声を最重視するポピュリズムにあるといいます。
ですから、いくら文大統領が真実とかけ離れたことを叫んでも、国民が真実とは何かを見極めていれば、現在の状況には至らなかったと思うのです。
ですから、韓国の現状の元凶は韓国の国民にあると言えます。
しかし、そうは言っても国民が真実を知ろうとした場合、その媒体はネット上や新聞です。
ですから、いかに新聞社などの報道機関やジャーナリストが真実を使えるかが重要なのです。
しかし、その報道機関やジャーナリストも国民の意向を酌む傾向があります。
なぜならば、報道機関やジャーナリストもビジネスとして側面が大きいからです。
ですから、やはり国民の意識レベルが国政、あるいは報道機関やジャーナリストのレベルを規定してしまうのです。
ということで、国民の意識レベルを高め、同時に偽情報の溢れるネット社会において、真実を伝える報道、および偽情報の溢れる中から真実の情報をいかに各国の国民が把握出来るかが国内のみならず国際社会の安定にとってのとても重要な要件だと思うのです。