3月7日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で絶景マンションについて取り上げていたのでご紹介します。
今回はマンションからあるモノを無くして、新しい価値を見出したお話です。
ある大胆な発想が絶景のマンションを生み出しました。
今回の方程式は引き算です。
足元から天井までの大きな窓ガラスで大パノラマを楽しめる、人気の絶景マンション、そのアイデアは常識を見直す発想から生まれていました。
きっかけは2002年、竣工したばかりのオフィスタワーを不動産会社の役員が視察している時のことでした。
開放感に溢れた窓ガラスを眺めて、その閃きは訪れました。
「マンションでもこういうふうに出来ないのか?」
後日開かれたマンションの企画会議、その役員は次のように訴えました。
「バルコニーを無くすんだ!」
「高層マンションもオフィスタワーのように全面ガラス張りにすれば、より眺望を堪能出来る!」
バルコニーは必要なもの、その常識を打ち破り、眺望を遮るものを無くすという、それまで誰も考えなかった発想から生まれた、大パノラマを楽しめる絶景マンションです。
ランドリールームを別に設置することで、床から天井まで絶景を見渡せるダイナミックな開放感を実現したのです。
それはまるで映画の主人公になったような気分です。
全面カラス張りの絶景マンションはバルコニーを無くすという引き算の発想から誕生したのです。
今まであって当たり前だと思われていたバルコニー、それを無くしてでも、それ以上の価値を見出した発想がマンションの世界をガラリと変えたのです。
ということで、今回のアイデア方程式は高層住宅
− バルコニー=絶景マンションでした。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
確かに六本木ヒルズなどの高層ビルからのダイヤモンドを散りばめたような夜景を見ると、その美しさに圧倒されます。
ですから、こうした周辺の建物に遮られない、大パノラマを楽しめる高層マンションにおいては全面カラス張りの作りはとても合っていると思います。
一方で、ベランダのあるマンションでは洗濯物を干すことが出来、またテーブルと椅子くらい置けるスペースがあれば開放感を楽しむことが出来ます。
ですから、低層マンションにおいては全面カラス張りの作りよりもベランダがあった方が住民にとっては便利だと思います。
要は、建物の作りによって購入者の要望も異なるということです。
ですから、番組でも指摘しているように既存の常識に囚われずに、土地の有効利用に伴う高層マンションにおいてはどのような潜在的要望があるのかを突き詰めて考えれば、自ずと全面カラス張りというアイデアが閃いてくると思われます。
その他にも、マンションに限らず高層住宅においては災害時の停電や断水への対策も必須です。
いくら普段の暮らしが過ごし易くても、災害時には大変な不便さが待っているのでは購入される方の十分な安心感は得られないのです。
さて、これまでアイデアについては繰り返し以下のようにお伝えしてきました。
アイデアは既存の要素の組み合わせである
アイデアは存在し、見つけるものである
しかし、今回ご紹介したように、時には既存の要素から一部を取り除いてみるというイデアも有効なのです。