昨年11月21日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”代替食品”について取り上げていたのでご紹介します。
近年、世界の人口は爆発的に増え続けていまして、このまま人類が肉などを食べ続けると、将来は深刻な食糧難になることが懸念されています。
そこで注目を集めているのが植物性のタンパク質を肉や魚などに見立てた”代替食品”です。
欧米が先行していたのですが、日本企業も味にこだわった商品を相次いで投入し始めています。
大塚食品の新商品発表会で記者たちに振る舞われたのは、見た目は普通のハンバーグです。
しかし、このハンバーグ(商品名「ZERO MEAT(ゼロミート)」)、実は大豆を使った、肉を全く使っていないもので、いわゆる“代替肉”です。
キャッチコピーは、「肉じゃないのに、そこそこ美味しい!」です。
番組レポーターが試食した感想は以下の通りです。
「お肉のハンバーグですね。」
「大豆だとは全く思えません。」
現在、欧米では、食肉による肥満や糖尿病などの懸念から、植物性タンパク質などを使った“代替肉”がブームです。
アメリカのスーパーマーケットには、既に“代替肉”コーナーが設けてあります。
世界的なマーケットリサーチ会社によると、2018年の“代替肉”市場は以下の通りです。
世界:約5000億円
欧米:約3500億円
大塚食品はこのブームが日本にも上陸すると見据え、今回発売の2品をはじめ、今後様々な“代替肉”を開発していく方針です。
大塚食品 新規事業企画部の嶋 裕之部長は次のようにおっしゃっています。
「“代替肉”のコーナーを日本中の食品売り場に作り上げて、“代替肉”市場のリーディングカンパニーを目指したいと思います。」
代替食品を商機と見る企業は他にもあります。
亀田製菓の田中 通泰会長は次のようにおっしゃっています。
「見た目、食感がまるで本物のさきイカとビーフジャーキーを作り上げることが出来ました。」
「普通のおつまみを超えた“ビヨンド”なおつまみです。」
「今後、亀田製菓はこれを皮切りに健康的な菓子、食品を展開いたします。」
亀田製菓は初めて原料に大豆を使い、本物のさきイカとビーフジャーキーに近づけた商品を開発しました。
本物と比べ、塩分や脂質をカットし、食物繊維が豊富、昨年11月いっぱい都内でテスト販売しました。
現在、アジアやアメリカでも事業を展開する亀田製菓、世界の消費者の間で高まる健康志向や食糧不足への懸念から、こうした“代替食品”に注目が集まると見ています。
“代替食品”の市場は、今後増々広がりを見せそうです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
世界的な健康志向の高まりを受け、“代替食品”市場は今後とも拡大していくと見込まれます。
しかも今回ご紹介した大塚食品と亀田製菓の事例では、その原料は主に植物性タンパク質といいますから、本物に比べてコストがかからないので低価格になります。
ですから、今後ともこうした“代替食品”の味の進化とともに関連企業の売り上げが伸びると期待出来ます。
また“代替食品”は世界の人口の爆発的な増加に伴う深刻な食糧難への対応策としても期待出来ます。
更に、今進められている火星移住計画などで求められる宇宙食としても“代替食品”は健康的で美味しい食糧として必須の存在になり得ると思います。