9月5日(水)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で退職させないハラスメントについて取り上げていたのでご紹介します。
パワハラ(パワーハラスメント)被害に遭った人は3人に1人と言われています。
昔と今で大きく変わっているパワハラの相談内容、それは退職したくても企業がそれを認めてくれない“退職させないハラスメント”の急増です。
被害を受けた30代の男性は、1日16時間50日連続勤務させられたことから退職を申し出ました。
この時の様子について、この男性は次のようにおっしゃっています。
「これ何みたいな感じで呼び出された時もありまして、「どうするつもりだ」って渡されたので、当時の僕は「分かりました」みたいな感じで、その場で(退職届を)破くしかなかったみたいな。」
「最終的に脅し的な感じで、「無理やりにでも辞めると言うんだったら、損害賠償で訴えるからな」と言われましたね。」
退職を認めないだけでなく、退職するなら慰謝料を払えと言われたというのです。
この男性は慰謝料を払うことはありませんでしたが、退職出来たのは数ヵ月後だったということです。
退職に追い込むようなパワハラをしながら、一方で退職を認めない、こうした“退職させないハラスメント”が増える背景にはいったい何があるのでしょうか。
職場のハラスメント問題に詳しい、日本リーガルネットワークの早野 述久弁護士は次のようにおっしゃっています。
「典型的なブラック企業だと、過剰な業務があって慢性的な人手不足になっているので、そのような会社だと特に従業員を辞めさせないように圧力をかけてくる傾向がありますね。」
「社会的にも今労働者不足になってきていますので辞めさせてもらえないと、そういったかたちの“退職させないハラスメント”が増えていく可能性があると思います。」
退職の権利については、民法の中でも労働者の権利として規定されています。
更には、労働基準法にはその手続きが細かく規定されています。
ですから、退職をさせないというのは明らかに法律違反に当たります。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
そもそもパワハラ被害に遭った人が3人に1人と言われている現状が大問題です。
しかし、パワハラかどうかという判断はとても難しいと思います。
加害者と被害者の関係により、両者にしっかりとした信頼関係があれば、周りからはパワハラと見られるものでも被害者はパワハラとは思わないし、信頼関係がなければ、ちょっとしたことでもパワハラと感じてしまうところがあるからです。
いずれにしても、加害者側が相手の立場を尊重する気持ちで接すれば、パワハラ被害は激減するはずです。
しかし、今回ご紹介している“退職させないハラスメント”はこうしたパワハラとは別の新たなハラスメントなのです。
その背景は番組でも指摘されているように労働者不足だと思います。
では、この問題の解決策としてどのようなアイデアがあるでしょうか。
以下に私の思うところについてまとめてみました。
・会社が退職をさせないと行為は明らかに法律違反であるを会社や従業員に理解してもらえるように国が取り組むこと
・会社が労働環境の改善を図り、従業員がまだこの職場で働いてもいいと思ってもらえるようにすること
・具体的には以下のような方策があること
一人ひとりの従業員の悩みに真摯に耳を傾け、真剣にその悩みの解決に当たること
作業プロセスの見直しにより従業員の負担を減らすこと
従業員の賃金を増やすこと
ロボットやAIなどの導入で生産性向上に取り組むこと