2018年11月06日
アイデアよもやま話 No.4166 バクテリア発電の持つ可能性!

これまで様々な発電方法についてご紹介してきましたが、今回は7月20日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)を通してバクテリア発電についてご紹介します。 

 

Sensingnet Inc.の中川 聡CEOが開発したのは、土の中にいるバクテリアによる発電装置です。

中川さんは次のようにおっしゃっています。

「(確かにLEDが光っているが、どこで発電しているのかという問いに対して、)実は土の中にいるバクテリアが発電をしています。」

「バクテリアの中には、電気を作り出しながら生きている種類のバクテリアがいるんですね。」

「(ではこのバクテリアがどのくらいの電気を作ってくれるのかという問いに対して、)バクテリアが作っている電気は0.3ボルトくらいですけども、電圧を上げる装置で引き上げることが出来るんですね。」

「大体3ボルト、ですから乾電池2本分くらいの電圧にこの装置は電圧を上げることが出来るのです。」

 

そこで、鉢植えに温度センサーを取り付けて、電圧が落ち着くまで数十秒待ちます。

すると、離れている場所でも温度と湿度をリアルタイムで送信してくれるのです。

更に人感センサーにつなぐと、人が近づくのに反応してアラートが出ます。

この鉢植えを玄関などに置いておけば、離れていても来客や不法侵入をチェックすることが出来るのです。

 

東京大学で特任教授だった中川さんはバクテリア発電の未来について次のようにおっしゃっています。

「バクテリアというのは地球上のいろいろな所にいると言われているので、例えば自然環境の状況を調べたり、電気をあまり使えない状況の文化財とか、一時的には被災地で電気が必要で何かを通信で送りたいとか、今まで出来なかったことが可能になる。」

 

このバクテリア発電装置は大きな電力を集める太陽光や風力による発電とは別に考えていて、この小さな電力でセンサーを使ってどういうことが出来るのかという研究なのです。

例えば電気の通っていない場所でGPSの情報が取れたり、送ったり、人が入れない場所の環境データを送ったり、そして自然環境を壊さないというところがポイントだといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私たちの暮らしの中には既に多くの極小出力の電力が使われています。

以下はその一例です。

身近なところでは小さな太陽光発電シートを使った卓上計算機や腕時計などがあります。

また振動エネルギーを電気に変換する振動発電も実用化されています。

そうした中、今回ご紹介したバクテリア発電は乾電池2本分くらいの用途に使えるといいます。

またバクテリアは土の中にいるのですから、鉢植えなどとして使えば、自然環境を壊さないので環境にも優しいです。

ですから、バクテリア発電もその発電出力に見合う用途で使えば、再生可能エネルギーの一環として位置付けられると期待したいと思います。


 
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