8月28日(火)付け読売新聞の夕刊記事でEV充電器の日中規格統一について取り上げていたのでご紹介します。
EV(電気自動車)向けの急速充電器について、日本と中国の業界団体は8月28日、北京で次世代規格を共同開発するとの覚書に調印しました。
日中が規格を統一することで、世界の急速充電器市場の9割超のシェアを握ることになり、世界標準に大きく近づきます。
日中両国は、2020年を目途に、現在の3倍以上となる出力500kw以上の急速充電器の実用化を目指します。
新規格は、技術開発で先行する日本の技術がベースとなる方向です。
以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。
まず、EVの今後の世界的な普及の流れの中で、この段階で世界の急速充電器市場の9割超のシェアを握ることになる日中の業界団体による規格統一に向けた覚書の調印はとてもいいことだと思います。
なぜならば、EVに限らず、世界的な規格の統一が無用のコストアップやユーザーの不便さを防ぐことになるからです。
ですから、今回の日中の動きに他の欧米各国も巻き込んで本来の世界統一に向けて関係団体には取り組んでいただきたいと思います。
一方、2020年を目途に、現在の3倍以上となる出力500kw以上の急速充電器の実用化を目指すといいますので、単純に考えれば、新型の日産「リーフ」の場合で現在40分で8割の充電が、13分程度に短縮されるようになります。
この充電でざっと実質210km程度走行出来ますから、5分の充電でも80km程度は走行出来ます。
更に、バッテリーそのものの技術進歩によりEVに搭載するバッテリー容量も増えると同時に充電時間の短縮も期待出来ます。
ですから、2020年には無理でも、2025年くらいには、5分の急速充電で150kmくらいは走行出来るようになるのではないかと期待出来ます。
更に、バッテリー容量の増加によるフル充電での航続距離は実質350km程度まで伸びると期待出来ます。
ですから、日中によるEV充電器の規格統一は、充電インフラの整備、およびEV普及のネックと言われる充電時間の短縮問題を解決することになり、今後のEV普及の大きな起爆剤になり得ると思います。
勿論、急速充電器の更なる普及も求められます。
ただ、ここで救いなのは、急速充電器の設置はガソリンスタンドに比べて設置場所の制約が少なく、ガソリンスタンドやコンビニなどの商業施設、あるいは道の駅など既存の施設の空きスペースに設置出来、しかも設置コストがかからないことです。
しかし一方で、EVの普及による電力需要の押し上げは電力の需給バランスに大きな影響を与えかねません。
次回は、この問題について私の思うところをお伝えします。