18世紀の産業革命以後の300年足らずという人類の悠久の長い歴史の中のわずかな期間からだけみても、現在は人類のあり方、社会、およびテクノロジーの観点からとても大きな変化の時代を迎えていると思います。
そこで、これからの時代のキーワードについて、あらためて私の思うところを4回にわたってお伝えします。
1回目は持続可能な社会の実現についてです。
まず、これからの時代の4つのキーワードの1つ、持続可能な社会の実現について、その阻害要因として以下に4つを挙げました。
私たち人類は、産業革命以来、豊かさを求めて地球環境を自分たちの都合のいいように開拓し、一方で有限と言われる化石燃料を使い尽くしてしまう勢いでエネルギーを消費しています。
ところが今や、世界的に急速に森林の面積が減少しており、化石燃料もせいぜい数百年程度で枯渇してしまうのではと思われます。
こうした結果、植物の光合成によるCO2吸収量の削減、およびCO2など温室効果ガスの排出量の増加により地球温暖化の進行が世界共通の大きな問題となっております。
一方、化石燃料の代替エネルギー源として原発建設が進められてきましたが、福島第一原発事故を契機に世界的な趨勢として“脱原発”に関心が集まっています。
そうした中、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電が普及しつつありますが、コスト面や設置場所の制約からまだ主電源としての位置を占めるまでには至っておりません。
一方、世界的に格差社会化も大きな問題になっています。
一部の一握りの資産家に富が集中し、一方で中間層が減り、富裕層と低所得層との2極分化が進んでいるのです。
この流れが極限まで進めば、社会不安が高まり、暴動、更には革命が勃発しかねません。
また、大量破壊兵器の存在も人類の存続を危うくします。
現在、核兵器は世界中に1万数千発が拡散しているといいます。
そこに、北朝鮮も外交の大きな切り札として核兵器保有国を目指しています。
ですから、専門家の中には、いくら米朝首脳会談などの外交が展開されても、北朝鮮が核兵器の開発から手を引くことはないという見解もあります。
同様に、今のところ既存の核兵器保有国も核兵器の保有が戦争勃発の抑止力として有効であるとして積極的に核兵器廃絶に向けた動きをするという気配もありません。
以上、これからの時代の4つのキーワードである持続可能な社会の実現について、その阻害要因として、地球環境、エネルギー、格差社会、大量破壊兵器の4つを挙げました。
しかし、残念ながらこうした阻害要因を取り除くための実効性のある具体的な対応策までお伝えするだけの能力を私は持ち合わせておりません。
ですから、より多くの優秀な頭脳をお持ちの方々が持続可能な社会の実現に関心を持っていただき、協力して少しでも早く持続可能な社会を実現していただきたいと思います。