前回、ソフトバンクグループによる太陽光発電事業への世界的な巨額投資についてご紹介しましたが、今回はベンチャー企業への世界的な巨額投資についてご紹介します。
ご存知のように、どんなに画期的で優れた技術やサービスを開発したベンチャー企業でも、ヒト・モノ・カネの不足がネックになり、途中で断念せざるを得ない状況に追い込まれる場合が多いです。
中でもカネ(資金繰り)は最大のネックになります。
そうした中、前回ご紹介したファンド、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は昨年5月に立ち上げて以降、太陽光発電事業への世界的な巨額投資以外に、世界的なアメリカや中国などの成長の見込まれるベンチャー企業にも投資しています。
次世代交通網のライドシェアやフィンテックなど、ビッグデータを扱い人工知能(AI)と親和性の高い企業を中心に投資してきました。
その具体例として、Alibaba(eコマース)、ARM(半導体)、Boston
Dynamics(ロボット)などがあります。
しかも、ソフトバンクは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の立ち上げ以前からYahooなど有望なベンチャー企業への投資を積極的に行ってきており、投資事業としても多くの成功を収めてきました。
なお、ささやかな株主としてソフトバンクの今年の株主総会に出席しましたが、孫社長はこうした事業展開、あるいは戦略について以下のような説明をされていました。(詳細は株主総会の動画を参照)
将来的に世界で業界ナンバーワンとなる見込みのあるベンチャー企業に株式の20%から30%の割合で投資し、こうしたそれぞれの企業が自主性を持ちながら自己増殖、あるいは自己進化を遂げることによってソフトバンクグループを300年存続させるという戦略、すなわち“群戦略”を推進するというものです。
さて、ソフトバンクグループの経営理念は「情報革命で人々を幸せに」ですが、具体的には以下のような分野で事業展開されています。
・インターネット
・携帯電話
・AI
・ロボット
・IoT
・再生可能エネルギー発電(主に太陽光発電)
考えてみれば、IoT化社会はあらゆるものがネットとつながる社会なのですから、あらゆるものが事業化の対象になります。
一方、IoT化社会は世界人口の増加と相まって、電力消費量の増加を伴います。
ですから、私たち人類は、豊かな暮らしとそれに伴う電力消費量の再生可能エネルギー発電による供給という両方のバランスを意識した活動があらゆる分野で求められるのです。
こうして見てくると、孫社長は、ソフトバンクグループとして世界規模での“持続可能、かつ豊かな社会”の実現に向けて、企業の立場で本気で取り組もうとされているのかもしれません。