2月1日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で燃費のいい船について取り上げていたのでご紹介します。
近頃奇抜な発明が注目されています。
それは船の燃費を良くする塗料です。
そこで今夜の方程式は燃費のいい船です。
船に塗るだけで燃費が良くなる、そんな夢のような塗料が船舶業界で注目されています。
環境問題が叫ばれる今、CO2削減は船の塗装会社に勤める開発者にとっても他人ごとではありませんでした。
水の抵抗を減らせる塗料があれば船の燃費も良くなり、結果的にCO2削減につながるはずと考え、開発者は速く泳げる海の生き物を片っ端から調べました。
すると塗料のヒントになる生き物がいました。
それはマグロでした。
時速100km近く、その速さの秘密は、体の表面を覆う粘液の中のヒドロゲルと呼ばれる粘液成分にあることを突き止めました。
それをヒントに、2007年、水の抵抗を少なくする塗料を開発しました。
更に6年後の2013年には摩擦抵抗を約12%減らし、燃費も向上しました。
採用実績は、国内外2200隻以上、燃費を良くする塗料はマグロから生まれていたのです。
この塗料、今ではマグロの延縄漁船にも使われているそうです。
ということで、今回のアイデア方程式は塗料×マグロ=燃費のいい船でした。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
これまで繰り返しお伝えしてきたように、自然界のあらゆる生き物が生き抜くために持っている優れた知恵を私たちの生活に生かす研究、すなわちネイチャー・テクノロジー(Nature Technology)は様々な場面で利用されています。
動物や植物はそれぞれの種によって、自然界で生き抜いていくためのDNAを持っているわけです。
そして、その具体的な戦略は様々なかたちで私たちの暮らしに役立っているのです。
そこで、今回思い付いたことがあります。
それは、これまでご紹介してきたアイデア方程式と逆の方向の考え方です。
すなわち、自然界の様々な種の生き方戦略は何かを理解し、それは具体的にどのような用途に役立つかを整理する学問の必要性です。
こうしたことを整理・体系化することによって、問題解決の際に必要に応じてすぐに利用出来るようになります。
こうした研究はすでにどこかの大学や研究機関により研究されているかどうか分かりませんが、もしないのであればどこかで研究を始めることは価値があると思うのです。