これまで何度か「食品ロス」についてお伝えしてきましたが、1月19日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「廃棄ロス」対策の実証実験について取り上げていたのでご紹介します。
621万トン、これは日本のスーパーなどで1年間に発生する、まだ食べられるのに捨てられてしまう商品(食品ロス)の量です。
一人当たりで計算すると、毎日茶碗1杯分のご飯の量を捨てていることになるのです。
この捨てられてしまう食品を減らそうと、NTTドコモが新たな取り組みを始めました。
東京都中央区のスーパー、miniピアゴの店内の一画に集められたのは、賞味期限が残りわずかとなった食品です。
これらの商品の廃棄を防ぐため、NTTドコモは1月19日から新たなサービス、「eco
buy(エコ バイ)」の実証実験を始めました。
サービスの利用方法は、まず専用アプリで対象商品を購入した際のレシートと賞味期限を撮影し、この画像をアプリ上からNTTドコモのポイントセンターに送ると商品の定価の20%相当分のdポイントが受け取れます。
現在、対象商品は30品目、賞味期限は長いもので10日前から対象で、これまでこちらのお店では賞味期限が近づいた商品は従業員が一つ一つ値引き作業を行ってきました。
miniピアゴを展開する株式会社99イチバの伊藤
輝志社長は次のようにおっしゃっています。
「最初2割(引き)、続いて5割(引き)、こういう2段階の見切りを行っています。」
「単品管理をしながら廃棄するので非常に煩雑な作業が・・・」
このサービスが浸透すれば、食品廃棄をなくすだけでなく、従業員の作業効率が大幅に上がるということです。
miniピアゴの廃棄品合計額は1日1万円、グループ全店舗を合わせると年間4億円にものぼり、金銭面でも削減の期待が大きいのです。
NTTドコモの第二法人営業部長、櫻井
俊明さんは次のようにおっしゃっています。
「食品ロス(廃棄)を減らすと同時に、私どものポイントサービスを活用していただく。」
「そうすることによって、お店様、お店のご利用者様、両方に喜んでいただくようなかたちでのソリューションをご提案したいと。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介したような取り組みは確かに店員の手間を省きながら、食品ロスを減らす効果が見込まれます。
しかし、一方で以下のような課題があります。
・全ての消費者がスマホを持っているとは限らないこと
・消費者がスマホで対象商品の撮影をするなどの手間がかかること
・与えられるdポイントはNTTドコモという特定の業者の提供するものでポイントサービスに汎用性がないこと
ということで、目指す方向性としては良いのですが、こうした課題をクリアすることがより一層普及させるための要件になると思います。