2018年04月12日
アイデアよもやま話 No.3988 3%の賃上げは妥当か?

1月22日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で今年の春闘について取り上げていましたが、今回は3%賃上げの妥当性に焦点を当ててご紹介します。

 

今年の春闘は1月22日からスタートしましたが、経団連は安倍首相の要請に応じ、今年の春闘で賃上げ水準目標「3%」を初めて打ち出しました。 

番組では賃上げのポイントについて、今、企業の業績は非常に好調なので、ある程度の賃上げは期待出来るが、3%の賃上げ実現のハードルはかなり高いと指摘しています。

賃上げ率の推移(大企業・月給ベース 1994-2018年)を見ると(出典:経団連)、ここ4年間は2%台に留まり、3%台は1994年まで遡り、それ以降は一度もありません。

そこで、専門家は3%の実現には企業と従業員、双方の取り組みが大切だと指摘しています。

日本総合研究所の山田 久主席研究員は次のようにおっしゃっています。

「3%という数字は中々難しいかもしれませんが、賃金の引き上げと生産性の好循環をつくっていけば、向こう数年のうちに3%越えてくることは可能だと思いますね。」

「企業が新しい事業をどうつくっていくのかということもありますしね、働くサイドも新しい技能を身に付けていくことで“生産性の向上に協力していく”ということが大事だと思いますね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

そもそも総じてどのような賃上げが望ましいのでしょうか。

以下に思い付くままに書き出してみました。

・純粋にその期の企業収益だけを反映させず、収益の多い、少ないに限らず、賃上げ率が妥当な範囲内に収まるようにすること

・同業他社に比べてベストを目指し、少なくとも平均以上であること

・妥当な労働分配率を反映すること

・物価上昇に対応して生活レベルが維持出来ること

・家族構成によって、妥当な生活レベルが維持出来ること

 

以上、書き出してみましたが、煎じ詰めると、企業の業績、生産性向上によるコスト削減額、そして物価上昇率の3つが大きな決定要因になると思います。

ですから、どの企業も一律何%という基準はあり得ないのであって、新製品の開発や生産性向上への取り組みなど、それぞれの企業自らの努力の成果が賃上げ率の基本なのです。

なお、家族構成の考慮については、子どもや親など扶養家族の人数によって扶養家族手当を出すのが一般的であり、それは妥当だと思います。

 

ちなみに、今年の春闘は春闘賃上げが市場予想より若干高い2%半ばという結果に終わったと報じられています。


 
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