2018年04月11日
アイデアよもやま話 No.3987 アイデア方程式 レーダー×?=電子レンジ!

1月18日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で電子レンジについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ある研究をしていたら別なものにつながる、こうしたことはアイデアの世界ではよく聞く話です。

電子レンジもその一つです。

便利な調理器具は何をきっかけに生まれたのでしょうか。

 

今や普及率95%以上の便利家電の電子レンジ、誕生のきっかけはある偶然からでした。

1945年のアメリカ、レーダーを研究する技術者がマイクロ波の実験をしている時のこと、ポケットから取り出したチョコレート菓子が溶けていたことがあるひらめきを生みました。

「まさかマイクロ波が作用して溶けたのでは」、推理は見事に的中しました。

試しにマイクロ波発生装置の前にポップコーンの原料を置くと、弾け出しました。

まさに電子レンジの着想が生まれた瞬間でした。

1947年、こうしてマイクロ波を使った世界初の電子レンジが誕生、レーダーレンジと呼ばれ、当時の価格はなんと100万円以上もしました。

時代とともに多機能に進化し続ける電子レンジ、レーダー研究とチョコレート菓子、その関係を見逃さなかったことがキッチンの革命をもたらしたのです。

レーダー研究から生まれた電子レンジ、時に目の前の現象を別のものに生かせないかと考えてみる、そこに思わぬアイデアが見つかるかもしれません。

 

ということで、今回のアイデア方程式はレーダー×チョコレート菓子=電子レンジでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

それにしても、電子レンジが市販化された当時の価格が100万円以上だったとは驚きです。

思えば、今私たちが使っているスマホだって、この当時に市販化されていれば、とんでもない値段が付いていたはずです。

このように、画期的な商品は市販化される当初は一般の人には手が出ないほどの価格ですが、やがて売り上げが伸びて大量生産や改良が進むとともに低価格化が進み、普及していくのです。

ですから、今はまだ補助金頼みで売れているところもあるEV(電気自動車)も普及が進むにつれて、元々ガソリン車に比べて部品点数が少ないのですから、いずれガソリン車と同等の価格で、フル充電での航続距離も500km程度に伸びた程度で販売されるようになると見込まれます。

 

さて、今回ご紹介した電子レンジのように、アイデアは時に思わぬ偶然から発見されるものです。

これまで繰り返しお伝えしてきたように、アイデアは既存の要素の組み合わせであり、従ってアイデアは存在するのです。

しかし、アイデアを発見するためには柔軟な思考力が求められます。

ある現象に接して、それを何かの用途と結びつける、あるいは既存の商品の技術を別の新たな商品化に結び付ける、といった思考力は常に好奇心や問題意識を持っていなければ身に付かないのです。


 
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