毎年冬のこの時期になるとヒートショックという言葉を耳にします。
そうした中。1月14日(日)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でヒートショックの予防法などについてとても分かり易く取り上げていたのでご紹介します。
厳しい寒さが続いていますが、こんな時に気を付けなければいけないのがヒートショックです。
温度差で急激に血圧が変化し、ショック状態にある症状です。
特に注意が必要なのがお風呂です。
寒い脱衣所か熱い湯船に入ったりすると意識障害などを起こす恐れがあります。
ヒートショックが原因で亡くなる人は年間1万人を超え、交通事故死より多いと推定されています。
どのように防げばいいのでしょうか。
このヒートショックは全国で起きていて、4年前に発表された調査結果では年間1万7000人が亡くなっていると推計されています。(2014年発表・推計
東京都健康長寿医療センター研究所で調査)
なぜ湯船でヒートショックによって意識を失うような状態になるのでしょうか。
入浴する際、寒い脱衣所で服を脱ぐと血管が収縮して血圧が上がります。
血管が細くなると心臓は強い力で血液を送り込もうとするため、負担が大きくなり心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。
また熱いお風呂に入ると、今度は血管が広がり、血圧が下がります。
心臓から遠い手足などの血管にも血液が送られると、一時的に脳に送られる血液の量が減って意識を失う恐れがあるのです。
こうなると溺れてしまう危険もあります。
温度が変化することで血圧がどのくらい変わるのか実験してみました。
4℃という冷たい水に1分間手を付けて温度が急に低下した状況を再現します。
1分後、血圧は2割ほど上がっていました。
4年前の調査を行った高橋 龍太郎医師は、ヒートショックは特に高齢者に起こりやすいと指摘しています。
調査結果では、入浴中に心肺停止になった人は60代から増え始め、特に80歳から85歳が多くなっていました。
高橋先生は番組の中で次のようにおっしゃっています。
「ほとんどの方が元気で自立した高齢な方であるということで、決して虚弱であったり非常に介護が必要な方ではないと。」
「体温を維持することが少しずつ衰えてきていると。」
「ですから周りの環境温度が変化した時にそれに対応しにくくなっていると。」
ではヒートショックを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
高橋先生は番組の中で次のようにおっしゃっています。
「浴室、脱衣室の温度を上げること、浴槽のお湯の温度をあまり熱くしない、この2つの温度条件があれば、安全に入浴出来ると思います。」
浴室も脱衣所も寒くなってしまう冬は、浴室を温めるには湯船にシャワーでお湯を蒔くといいといいます。
脱衣所は暖房機器などを使い、18℃まで温度を上げることを目安にするといいということです。
更に湯船のお湯の温度は41℃までにした方がいいといいます。
高橋先生は番組の中で次のようにおっしゃっています。
「お湯の温度に関しては、41℃と42℃の間でかなり差があるというのが様々な実験で言われております。」
「42℃を超えますと熱いという刺激が今度は血圧を上げたりします。」
「ごく普通の日常生活の中に危険も潜んでいるということがあるという。」
「実際に脱衣室の温度を計ると思ったより低いことがわかりますので、ちょっとしたチェックをすることがご自分で振り返るいいきっかけになるのではないかと思いますね。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
4年前に発表された調査結果では、ヒートショックで年間1万7000人が亡くなっていると推計されているといいます。
一方、2017年の交通事故死は、過去最少の3694人といいます(警察庁まとめ)。
交通事故死に比べてもこれほど多くの方がヒートショックで亡くなっていたとは思いませんでした。
しかも、入浴の際のヒートショック死はちょっと気を付ければ防げるのです。
そこで、番組で紹介されていたヒートショックの予防法について、その3つの要点を以下にまとめてみました。
・脱衣所は暖房機器などを使い、18℃まで温度を上げることを目安にすること
・浴室を温めるには湯船にシャワーでお湯を蒔く
・お湯の温度は41℃以下に抑えること
これまで入浴の際に何となくヒートショックに気を付けなければと思っていましたが、上記の3つの予防法を実践すれば入浴の際のヒートショック死を防げるのです。
ですから、特に高齢者の方がこのブログをご覧になっていたらこの予防法を是非実践していただきたいと思います。