2018年01月15日
アイデアよもやま話 No.3913 動き出した所有者不明の土地対策!

昨年10月25日(水)放送の「ニュース7」(NHKテレビ)で所有者不明の土地対策について取り上げていたのでご紹介します。 

 

相続されても登記が変更されていないため、所有者が分からなくなっている土地が社会問題となっていますが、その対策案が国から示されました。

地域のイベントや防災など、公共性の高い事業であれば供託金を収めたうえでNPOや企業が5年簡に限り利用出来るようにするとしています。

 

さいたま市の住宅街にある所有者不明の土地、広さはおよそ150屐⊂なくとも40年以上放置された状態だといいます。

近所の住民は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「本当に危ないんですよね。」

「壊れて落ちてこういうもの(がれき)がね。」

「困るなんてものじゃないですよ。」

 

ところが、地元住民も行政も手を付けることが出来ません。

現在の法律では、原則として所有者全員の了解がなければこうした土地を買収することなどが出来ないためです。

影響は各地に広がっています。

東日本大震災の被災地では住宅の高台移転を進めた際、登記が明治時代のままの土地が見つかり、復興事業が遅れる要因となりました。

更に、リニア中央新幹線の建設用地でも所有者不明の土地が見つかり、相続人を探すなどの対応に追われています。

 

国は対策に乗り出そうとしています。

昨年10月25日に開かれた専門家会議では、国土交通省が新たな案を示しました。

その仕組みは、所有者が見つからない土地でもNPOや企業が利用出来るとしています。

所有者が見つかった場合に備え、賃料を供託金というかたちで法務局に預ければ、5年間に限り土地を利用出来るようにするというのです。

ただ、対象になるのは公共性の高い事業です。

イベントや防災のスペース、更にコンテナを使った簡易的な商業施設などへの利用が想定されています。

5年経っても所有者が見つからない場合は利用期間の延長を可能にするということです。

今回の対策案について、専門家で早稲田大学法務研究科の山野 章夫教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「土地の所有権についての見方を変えていく重要な契機になる。」

「いろいろな工夫をした用い方が考えられるのではないかと。」

「国民の土地という重要な財産に係わることですから、慎重に進めていかなければならない。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

確かに所有者不明の土地と言えども、所有者にとっては重要な財産です。

しかし、所有者不明の状態が何十年も続いていれば、誰が所有者であるかを法的に明らかにすることはとても困難になってきます。

一方で、国レベルでの土地の有効活用という観点からすれば、こうした所有者不明のまま放置されている土地を何十年にもわたって活用しない状態は問題です。

 

こうした観点からすると、公共性の高い事業であれば供託金を収めたうえでNPOや企業が5年簡に限り利用出来るようにするという対策案はとても望ましいと思います。

しかし、こうした対策案をいつまでも続けるというのは現実的ではないと思います。

例えば、こうした対策の実施を50年間続け、それまでにまだ所有者が明らかにならない場合は供託金とともに国の資産にするというように、時効を設けるべきだと思います。


 
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