2018年01月09日
アイデアよもやま話 No.3908 50以上の言語を翻訳出来る翻訳機の登場!

昨年10月23日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で50以上の言語を翻訳出来る翻訳機について取り上げていたのでご紹介します。 

 

昨年1月から9月までの訪日外国人の数は1年前と比べて約18%増えていると推計されています。(日本政府観光局)

このままのペースでいくと年間2800万人に達して過去最高となる可能性が出てきています。

そんな外国人の方々が日本に来て困っていることについてのアンケート調査結果があります。(日本政策投資銀行 公益財団法人日本交通公社調べ 2017年)

そのランキングは以下の通りです。

1.英語の通用度

2.母国語の通用度

3.旅行代金

 

言葉が通じないという悩みが上位を占めているのです。

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人の数が増々増えていくのが確実な中、実に50以上の言語を翻訳出来るという新商品、手のひらサイズの「POCKETALK(ポケトーク)」が発表されました。

ちなみに、価格は2万6784円で昨年12月14日発売といいます。

操作は、タップを押して話しかけるだけと簡単です。

 

翻訳機能ですが、驚くのは対応する言語で、英語やフランス語は勿論アラビア語からスワヒリ語など50以上の言語に翻訳出来ることです。

例えばインドなら、ヒンディ語だけでなくベンガル語などにも対応しています。

日本語から外国語への一方通行だけでなく、双方向での翻訳が出来るのが特徴です。

Wi−Fi環境があれば利用可能で、更に専用のSIMカードを搭載すれば61ヵ国まで使用出来ます。

 

番組では、実際に「ポケトーク」を使って成田空港で訪日外国人に母国語でコミュニケーションを試みましたが、その結果は翻訳機能を十分に果たしていました。

なので、「ポケトーク」があればほとんどの日常会話は可能だといいます。

 

「ポケトーク」を開発したソースネクスト株式会社は、パソコンソフトやアプリを販売してきた企業です。

なぜ今回翻訳機に参入するのかについて松田 憲福社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「我々としてはやはり2020年に大きなイベントがあって、そこには沢山のお客様が海外からみえるわけですから、インバウンドにどんどん対応しなければいけない。」

「会話をするにあたって、ソフトウェアだけではどうしても出来ないことがいっぱいありますよね。」

「そういう意味では、翻訳機という専用機によって皆さんが会話出来ないと厳しいなと我々は判断したと。」

 

通訳や翻訳ビジネス市場は年々伸び、2017年度は2900億円に拡大する見込みといいます。

そこでソースネクストは2020年までに50万台を販売する目標です。

訪日外国人と日本人の言葉の壁を突き破れるでしょうか。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組冒頭の調査でも分かるように、訪日外国人の最大の悩みは言葉が通じないことです。

そして、既に多くの翻訳機が普及していますが、対応する言語が50以上の超小型の通訳デバイスの市販化はこれからの外国人とのコミュニケーションのあり方を一変させる画期的な第一歩と言えます。

 

こうした翻訳機は、AIやビッグデータの活用により、どんどん翻訳の精度が上がっていくとともに、対応する言語も将来的には地球上のあらゆる言語に広がっていくと期待出来ます。

また、当然翻訳スピードも短くなっていきます。

 

2年後の東京オリンピック・パラリンピックまで後2年ですが、その時に今回ご紹介したような翻訳機が低価格で販売されていれば、訪日外国人にとっても、迎え入れる日本人にとってもスムーズなコミュニケーションを図るうえでとてもありがたい存在となります。

また、こうした翻訳機は、一度購入すれば海外旅行するたびに役立ちますし、そうした旅行客を迎え入れる側にとってもとても便利です。

ですから、今回ご紹介した「ポケトーク」に限らず、いろいろな役立つ商品にとって、2年後の東京オリンピック・パラリンピックは世界に向けて絶好の宣伝の場となるはずです。

 

さて、言語は話したり聞いたりするだけでなく、読むというケースもあります。

ですから、将来の専用デバイス、あるいはスマホにはあらゆる言語をカバーする翻訳や通訳の機能を兼ね備えた機能が搭載されるようになることは間違いありません。

そうした時代の言語教育はどうなるのか、あるいは不要になるのか別な意味で興味が湧いてきます。

もし、英語などの外国語教育に費やされる時間がAIなどの先進技術に向けられるようになれば、技術立国を目指す日本にとってはとても画期的なことだと思います。


 
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